痛風│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2003年1月1日

痛風

高尿酸血症

痛風
明けましておめでとうございます。本年もお知らせコーナーを宜しくお願いします。今月は痛風についてお話しします。痛風という言葉を耳にしたことがあると思いますが、原因は血中の尿酸値が上昇して尿酸の結晶が関節内に析出し、白血球がそれを貪食して炎症を起こすことです。特に多い関節は足の親指の付け根の関節で、突然の疼痛、発赤、腫脹によって歩行困難になります。その他足首、アキレス腱、足の甲、膝などにも現われます。また、高尿酸値(7mg/dl以上)を放置していると関節炎を繰り返し、慢性関節炎に移行します。また、痛くはありませんが耳介の皮下や骨の中などに痛風結節という肉芽組織が出現しますが、脊柱管に出来ると神経障害を起こします。そればかりではなく腎障害(痛風腎)、尿管結石の原因にもなります。痛風は以前は日本では希な疾患と考えられていましたが、1960~1970年の高度成長期に食生活の欧米化やアルコール、特にビール摂取量の増加などで患者数が急増し、現在では30~60万人と推定されています。
さらに痛風を発症する年齢が以前の50才代から30才代に若年化しています。また、近年の研究から高尿酸血症があると肥満、高血圧、高脂血症、耐糖能以上などの生活習慣病が合併していることが多く、虚血性心疾患や脳血管障害の危険因子と位置づけられるようになりました。尿酸値が上昇する原因は多い順に尿酸排泄低下型、尿酸産生過剰型、両者の合併型に分類され、尿酸の原料となるプリン体はレバーやもつに多く含まれています。激しい筋肉運動(パワートレーニングなどの無酸素運動)も尿酸値を上昇させますが、エアロビクスなどの有酸素運動では上昇しません。

高尿酸血症・痛風発作の治療

高尿酸血症は生活習慣病への警告、あるいは一部として位置づけられるようになり、マルチプルリスクの観点からケアーする必要があります。発作時にいかに的確に治療するか、再発をいかにして回避するか、いかに合併症を予防するかです。発作前にむずむずした前兆がわかればコルヒチンを1回だけ使います。発作が起こってしまったら局所の安静、禁酒、冷尿酸降下剤を投与します。この薬の投与が早すぎたり、多すぎたりして血清尿酸値を急激に低下させると関節内の尿酸結晶が増えたり、再析出して再発作を起こします。少量の尿酸降下剤を使ってゆっくりと尿酸値を下げることが重要で、目標値は4~6mg/dlです。もし、膝や肘関節に水腫を伴っていたら関節を無菌的に穿刺して関節液を除去してからステロイド剤を注入します。腎障害、尿路結石がある時には1日尿量を2000ml以上とします。
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