貧血│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

〒178 -0063 練馬区東大泉5-34-10
【診療時間】9:00〜12:30 / 15:00〜18:30
※土曜日は13:00まで
【休診日】日曜・祝日・水曜

03-5905-2625
今すぐかんたんネット受付

練馬区の肝臓の専門医です。経鼻内視鏡検査も行っています。

豆知識コーナー

豆知識コーナー

豆知識コーナー

豆知識コーナー

2003年3月1日

貧血

鉄とビタミン

貧血
貧血とは骨髄で形成された赤血球が何らかの原因で減少した状態です。症状としては息切れ、動悸、全身倦怠感、めまい、耳鳴り、舌炎、口角炎、さじ状爪、顔面蒼白、皮膚黄色化などがあります。赤血球の大きさで大球性、正球性、小球性貧血に分類されますが、一番多いのが小球性低色素性になる鉄欠乏性貧血です。食事中の鉄は3価鉄ですが、胃酸で2価鉄にされて小腸から吸収されて血中のトランスフェリンと結合し、骨髄に運ばれ、酸素運搬のための赤血球内ヘモグロビンとして存在します。鉄の吸収と排泄は巧妙に調節されており、1日わずか1mgの鉄が腸管粘膜の剥離で体外に排出され、ほぼ同量の鉄が吸収されており、体内には約2gの鉄が存在して鉄過剰になることはありません。また、出血などで血清鉄が低下すると肝臓、脾臓、組織に貯えられている貯蔵鉄が動員されて貧血の進行を防ぎます。鉄不足の原因としは①摂取不足(偏食、ダイエット)、②吸収不全(胃十二指腸切除)、③需要の増大(成長期における鉄需要の増加、スポーツ貧血、、妊娠、授乳)、④喪失(痔、子宮筋腫による月経過多は閉経すると筋腫が縮小して貧血が改善します。男女とも問題になるのは胃癌や大腸癌などの悪性腫瘍からの出血)です。一方、貯蔵鉄が不足しない貧血としてはリウマチや肝膿瘍、肺膿瘍などの慢性炎症や、遺伝的疾患であるサラセミア、鉄芽球性貧血、鎌状赤血球症などです。赤血球が大きくなる大球性貧血(巨赤芽球性貧血)は胃全摘後や萎縮性胃炎によるビタミンB12不足やアルコール中毒での葉酸不足が原因で、肝硬変でもみられます。特にB12の吸収に必要な胃内因子欠乏は悪性貧血と呼ばれています。 

溶血性貧血、その他の貧血

鉄やビタミンB12,葉酸とは無関係な貧血に溶血性貧血があります。一般に赤血球の寿命は120日前後ですが、何らかの原因で赤血球崩壊が亢進して貧血になる状態で、胆石の元になるビルルビンを産出します。検査所見は貧血、黄疸、脾腫、胆石、尿ウロビリノーゲン増加、血清ハプトグロビン低下などです。先天性としては赤血球の膜異常による遺伝性球状赤血球症や遺伝性楕円赤血球症など、赤血球酵素異常症としてピルビン酸キナーゼ欠乏症ど、その他ヘモグロビン異常症、ポルフィリン代謝異常症があります。後天性には自己免疫性溶血性貧血、発作性夜間血色素尿症、赤血球破砕症候群(心臓弁置換、溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群)があります。高齢者の貧血では血小板や白血球の減少を伴う骨髄異形成症候群があり、進行は緩徐ですが白血病化することがあります。また再生不良性貧血は自己免疫疾患と考えられています。
  • 年別アーカイブ