生活習慣病 その2│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2001年11月1日

生活習慣病 その2

糖尿病

生活習慣病 その2
今月は糖尿病についてです。学生時代にかなりハードな運動をしていて筋肉質だった人も社会人になってからの運動不足や付き合い酒で体重が増加し、別人のようになってしまった体型を見るたびに糖尿病を心配しているのではないでしょうか。ましてや家系に糖尿病の方がいると気が気ではではないでしょう。我が国の糖尿病患者数は約700万人にも達し、その増加率は虚血性心疾患や脳血管障害のおおよそ9倍にもなります。しかし、病院への受診率は30%前後と低く、合併症の一つである腎不全・透析や失明者が増加しています。糖尿病の発症には複雑な因子が関与していますが、糖の流れは単純です。食事をすると小腸から糖が吸収され、筋肉などで利用されるために膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されますが、このインスリンの分泌が悪いか、良くてもうまく作用していないのが糖尿病です。糖尿病には1型と2型があり、前者は何らかの機序でβ細胞が破壊してインスリン分泌不全となり急速に発症するタイプで、自己抗体が認められ、若年者でインスリン治療をしている人に多い型です。
後者はインスリン分泌の遅れ(インスリン分泌不全)やインスリン作用障害(インスリン抵抗性)であり、遺伝的素因の他に肥満、過食、運動不足、加齢、ストレスなどの生活習慣と密接に関係しています。日本糖尿病学会は1999年に新たな糖尿病の診断基準を示し、空腹時血糖値を 140から126mg/dlと厳しくし、ヘモグロビンA1cを採用して、6.5%以上を糖尿病と診断するようになりました。

糖尿病の運動療法

まずは生活習慣を見直し、食事療法、運動療法が基本です。運動すると糖が利用されて血糖値が下がるばかりでなく、筋肉でのインスリンの利用率が上昇してインスリン抵抗性が改善します。すると過剰に分泌していたインスリンが減少し、膵臓が休むことができ、やがては自己のインスリン分泌能が回復して血糖値が上昇しにくくなるという効果があります。ただし、腎症や網膜症がある場合や神経症の強い人、虚血性心疾患がある場合にはそれらが悪化することがあるため適応外となります。
運動の内容としては、瞬間的に筋肉を使うパワートレーニングではなく、いわゆる有酸素運動といってウォーキングや自転車、水泳、階段昇降などの持続的運動が効果的です。運動量は個々の心拍数からBorg指数を算出して決めますが、その運動効果は約48時間持続するため、無理なく続けられる量を設定して週3~5日が適当です。脂肪が燃焼し始めるのに約20分かかるので一回の運動時間の目安とします。
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