2009年12月1日
ロコモティブシンドローム (運動器症候群)
ハイライト
●運動器
●関節障害
●脊柱障害
●骨折
●介護保険
●基本チェックリスト
いつまでも元気で歩くために
ロコモティブシンドロームとは超高齢化社会に向け、日本整形外科学会が提唱した新しい概念です。筋肉や関節、骨などの運動器の機能不全によって要介護リスクが高まった状態のことで、要介護リスクの早期発見と予防を目的としています。「平均寿命80年超という人類未曾有の長寿時代には、運動器を上手に使い続けていくことが不可欠です。高齢だからと諦めずに人生の主役として、いつまでも自分の足で元気に歩くことができるよう手助けする医療」と謳っています。我が国では世界に先駆けて超高齢化社会を迎えており、それに伴って関節障害、脊柱障害、脆弱性骨折などの運動器疾患が急増しています。高齢化社会は「疾病をもったまま生きる時代」と言われています。代表的な関節障害である変形性膝関節症に対する人口膝関節手術数は10年前に比べて約3倍に増加しています。運動器の疾患は要介護になる大きな一因であり、75歳以上の高齢者で寝たきりや介護の主な原因では最多の24%を占め、次いで脳血管障害21%、認知症13%となっています。
【根底にある問題点】
2000年に「介護保険制度」が始まり、健診では「基本チェックリスト」が導入されましたが、実施率は24%にとどまり、健康維持・増進、介護予防に関しての意識の乏しさが浮き彫りになりました。トイレ動作など生活の基本となる動作が困難になると介護を受ける人にも、介護をする人にも大変なこととなりますが、一般社会にはこの切実さが十分に伝わっていません。
【運動器に対する意識改革を目指して】
人々が運動器に対する意識を高める目的で、自己チェック項目が提示されています。
人々が運動器に対する意識を高める目的で、自己チェック項目が提示されています。
①片足立ちで靴下がはけない
②家のなかでつまずいたり滑ったりする
③階段の昇るのに手すりが必要である
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤15分くらい続けて歩けない。
以上のうち一つでも当てはまればロコモティブシンドローム(通称ロコモ)に該当します。
【ロコモ予防運動】 いつまでも元気に歩くために、運動器の健康寿命を延伸するための運動です。
(ASAHI MEDICAL2009,3より引用)
【ロコモ予防運動】 いつまでも元気に歩くために、運動器の健康寿命を延伸するための運動です。
(ASAHI MEDICAL2009,3より引用)


