インフルエンザ│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2003年2月1日

インフルエンザ

流行性感冒(流感)

インフルエンザ
今月は今流行っているインフルエンザについて解説します。1919年にスペイン風邪が世界的に大流行し、我が国でも38万人が死亡しました。1962年からワクチンが導入され、私も学校で集団接種を受けた記憶がありますが、その後は一般のみならず医療関係者の間でもワクチンの有効性に疑問が出たため、旧厚生省は1987年に「インフルエンザワクチンは個人防衛は可能であるが、集団を守る力に欠ける」として任意接種となりました。インフルエンザはワクチンが効かない病気とされてワクチン接種率が低下した結果、インフルエンザにかかった高齢者が肺炎で死亡したり、老人施設や精神病院での集団感染が社会問題となったため、平成13年度に65才以上の高齢者を対象にインフルエンザワクチンの接種奨励のための予防接種法の改正が行われました。インフルエンザウイルスは核蛋白質の抗原性の違いからA、B、Cの3型に分けられます。猛威を振るって症状が重いのがインフルエンザA型です。
人以外にもトリ、ブタなどに分布しており、ウイルス表面の赤血球凝集素とノイラミニダーゼという糖蛋白が変異して抗原性を変えるため、抗体のない人類に感染して大流行となります1997年に香港で人からトリ型インフルエンザが分離され、大量の鶏が処分されたニュースがありました。結局、人から人への感染はありませんでした。インフルエンザウイルスは南半球から渡り鳥によって運搬されると考えられています。我が国のインフルエンザは11月下旬から発生し、2月をピークにして5月までみられますが、今年の流行は例年よりも早くなっており、内服インフルエンザ特効薬やインフルエンザ診断キットが不足する事態が起きています。

インフルエンザワクチンの効果

論文によりますと上気道感染症の罹患率が有意に抑制され、死亡率や病院通院日数も減少して経済効果も出ています。我が国のインフルエンザワクチン株の選定はWHOワクチン選定会議での討議内容と国内インフルエンザ流行状況、分離ウイルス抗原解析、遺伝子解析、免疫誘導能、鶏卵での増殖性などが国立感染症研究所で討議されて来シーズンの予測をたてて、厚生労働省に報告されます。感染防御効果は小児病院からの報告によりますと、A型は70%弱、B型は40%前後で、特に7才未満児のB型に対する効果は乏しいとのことです。一方、高齢者に対する効果というと、発症リスクを40~50%ほど、死亡リスクを80%ほど減じています。一回接種か2回接種か?海外の論文では2回接種がより有効としていますが、我が国では13才以上では一回接種でも抗体上昇率は十分と報告されています。インフルエンザは単なる風邪と違って全身倦怠感、咳が2,3週間続くこともあり、侮れません。
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