アルツハイマー型痴呆│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2003年8月1日

アルツハイマー型痴呆

老人ボケとアルツハイマー型痴呆

アルツハイマー型痴呆
我が国の痴呆老人の数は推定で150万人以上とされており、世界一の長寿国であるが故にこの数はまだまだ増加することが予想されます。40~50才代の初老期の時期と70~80才代の時に発病するアルツハイマー型痴呆があり、若年発症の方が進行が速いために以前はアルツハイマー病と呼んで区別していました。しかし、両者に根本的な相違を見いだせないため、最近では年齢にかかわらずアルツハイマー型痴呆と呼んでいます。では、アルツハイマー型痴呆と老人ボケの違いはどこにあるのか?これを区別するにはアルツハイマー型痴呆に当てはまるか否かを診断します。診断基準では①記憶障害、②認知機能障害(失語、失行、失認、行為遂行の傷害)、①②により日常生活に支障を来し、他に①②の原因となるような疾患がないことです。まず記憶障害(物忘れ)ですが、外来などで「年をとると物忘れが多くなって困る」と訴える方がいらっしゃいますが、これを年をとっての物忘れなのか病的なものとみなすかがカギです。健常者の物忘れは「記憶の流れ」が保たれており、言い換えると自分の経験したことが時間的に順番になっていて前後関係があるため、一部分を断片的に思い出せなくてもその空白を補強することができ、指摘されると「ああ、そうだったね」と思い出すことができます。 アルツハイマー型痴呆の物忘れはちょっと前にあった事をストーンと忘れてしまうことで、記憶の帯が絶たれるために思い出せなくなります。この空白を補おうとして作話をしたり、古い話を持ってきて昨日あったことのように思ってしまいます。自分で呆けたと言っている人は年齢的なものか、軽症うつ病、神経質な人などにみうけられますが、本人が無自覚で家族が「呆けたんじゃないか」と言ってきた場合にはアルツハイマー型痴呆の可能性があります。
初期では「遅延再生の低下」がみられ、これは3つの単語(「桜、猫、電車」または「梅、犬、自動車」)を一度記憶しても数分後に思い出せなくなる現象です。認知機能障害には見当識という時間、場所、人物などの把握に支障が起きることで、特にアルツハイマー型痴呆の初期では日付を間違えるようになります。以上の①及び②を認めたときには、鑑別のためうつ病、せん妄、パーキンソン病の有無、頭部CTやMRIで脳腫瘍、脳血管障害、硬膜下血腫、水頭症の有無、また痴呆を来すような甲状腺機能低下症、ビタミンB12あるいは葉酸欠乏、神経梅毒、HIV感染の有無、さらに薬物中毒の有無を調べます。CTやMRIでは小脳と後頭葉が保たれた側頭葉内側の萎縮がみられます。病因は不明ですが、脳にアミロイド蛋白の沈着した老人斑が認めれれます。治療はアセチルコリンを増やす対症療法しかなく、症状は緩徐に進行します。
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