ライフスタイルと疾患(各論)│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2005年8月1日

ライフスタイルと疾患(各論)

ハイライト
● ライフスタイル
● 喫煙
● 食物
● 体重
● 野菜類と果物類
● でんぷん食品
● 植物性蛋白質
● 飲酒
●魚と鶏肉
● 植物油

癌の発生ーその1

癌の発生において、ライフスタイルの影響は極めて大きいと考えられています。米国では1982年にすでに食生活に焦点を当てた書物が出版されており、癌の原因の1/3は喫煙、1/3は食物によると報告されています。日本人男性の肺癌の2/3は喫煙によるものであり、その他に口腔咽頭癌、喉頭癌、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、子宮頸癌の明らかなリスク要因でもあります。近年、喫煙に関する研究が峠を越し、癌と食物、栄養に関する研究が増加してきました。癌を予防するための適切な食生活や関連要因とはどのようなものか、1997年に発表された670ページにも及ぶ報告書から要点を紹介します。
<食生活に関する勧告のまとめ>
公衆衛生上の目標(◆)と、個人へのアドバイス(◇)

-食糧供給、食物摂取と関連因子-
①食糧供給と食物摂取;◆人々が主に植物性食品と基本とした、栄養的に適切かつ多様な食物を摂取すること。◇大部分が食物に由来する食事、すなわち多種類の野菜や果物、豆類、それに精製度をなるべく低く抑えたでんぷん質の食品を豊富に含む食事をしなさい。
②正常体重の維持;◆人々の成人期を通じた体位が、平均してBMI21~23の範囲内に維持され、個々人のBMIは18.5~25の範囲にあること。◇低体重や過体重を避け、成人期を通じての体重増加を5kg未満に抑えなさい。
③身体活動の維持;◆一生を通じて、活動的なライフスタイル、すなわち、基礎代謝値の1.75倍以上に相当するような身体活動をし、また、かなり激しい身体活動も時々するような生活を維持する、ヒト集団であること。◇もし、職業による身体活動が少ないか中等度の場合、一日に一時間の速歩かそれに匹敵する運動と、さらに一週間に少なくとも合計一時間の活発な運動をしなさい。
-食べ物と飲み物-
④野菜類および果物類;◆一年を通じて、多種類の野菜類および果物類を摂取し、これらから総エネルギーの7%以上を摂取するように勧めること。◇四季を通じて、一日当たり400~800gまたは5皿以上の多種類の野菜類や果物類を食べなさい。[注]目安量1皿80g、一日の標準カロリー2000kcalとする。
⑤その他の植物性食品;◆多種類のでんぷん食品や植物性蛋白質食品から、総エネルギーの45~60%を摂取する。砂糖からのエネルギーは総エネルギーの10%以下に抑える。なお、これらの食品類は、なるべく精製度の低いものが望ましい。◇一日に600~800gまたは7皿以上の、多種類の穀類、豆類、いも類やバナナを食べなさい。精製度のなるべく低いものを選びなさい。砂糖の使用を制限しなさい。
⑥飲酒;◆アルコール類の飲用は勧められない。過度の飲酒をしないように勧める。飲酒する場合は総エネルギーの、男性は5%以下、女性は2.5%以下に抑制する。◇飲酒は勧められない。どうしても飲む場合は、一日当たり、男性は2ドリンク以下、女性は1ドリンク以下に抑えなさい。[注]酒1合、ビール中瓶1本が約2ドリンク、酒類は男性に多い心疾患に予防的であり、一方飲酒は女性の乳癌のリスクを高める。
⑦肉類;◆赤身の肉(牛肉、豚肉など)を摂取するならば、総エネルギーの10%以下までとする。◇赤身の肉を摂取する場合は、一日に80g以下までに抑えなさい。そのためには、赤身の肉の代わりに、魚や鶏肉(家畜化されていない動物の肉も)が望ましい。[注]魚や鶏肉と癌の関与は認められていない。
⑧総脂肪と油;◆総脂肪や油の摂取は、総エネルギーの15%から多くても30%を超えない範囲とする。◇脂肪の多い食品、特に動物性脂肪の多い食品の摂取は抑えなさい。適当な植物油を控えめに使用するように。
次号へ続く
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