新型インフルエンザ  それは米国から始まった│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2009年6月1日

新型インフルエンザ  それは米国から始まった

ハイライト
●H1N1
●CDC
●ブタ&トリ&ヒト混合型
●下痢、嘔吐

新型インフルエンザ宣言までの軌跡

日本を始めとして世界が強毒鳥インフルエンザ(H5N1)対策をたてていたところに、今回のブタ由来弱毒新型インフルエンザ(H1N1)が流行し、カウンターパンチを食らったような状況です。今回の流行をきっかけにして、これまでの新型インフルエンザに関する米国CDC(Center of Disease Control and prevention)の資料が周知され、そのなかですでに前章として、4年前から米国ではブタ由来のインフルエンザウイルスの発生は把握していました。ただ、ブタ→人感染で終焉して、人→人がなかったために新型としては認識されていませんでした。しかし、近年、ブタ&トリ&ヒトのミックスしたインフルエンザウイルスがブタで確認されるようになってきました。もう少し掘り下げますと、1930年代から 1990年代の間はブタから検出されるインフルエンザウイルスは従来と同じブタA型インフルエンザウイルス(H1N1)でした。ところが、北米では1990年代の終わりに様々なインフルエンザウイルスがヒト型&トリ型&ブタ型混合型となって家畜ブタに感染していきました。そして、CDCが米国内でこの混合型ブタインフルエンザウイルスのヒトへの感染を初めて確認したのが2005年12月でした。従来型のブタインフルエンザはヒトインフルエンザと症状がほとんど同じで区別がつきませんでしたが、混合型ウイルスでは通常のインフルエンザでは希な下痢が認められました。
それ以降、11例の報告がありますが、2007年以降に増加しています。年齢は1才から 48才、8人が18才未満、7人が男性、全員回復しています。9人はブタに接触していますが、直接ブタに触れているのは5人(食肉業者など)、4人は1m以内までブタに近づいたが触っていませんでした。1人はヒト→ヒトが疑われましたが、残りの1人は感染経路不明でした。潜伏期間は3~9日、平均3.5日、4人に喘息や免疫不全などがありました。発熱(38.5~40.4℃)と咳は必発で、頭痛、咽頭痛、下痢、嘔吐、筋肉痛、息切れ、4人が入院、タミフルを飲んだヒトは通院もいれて4人でした。インフルエンザは人畜共通感染症といって、家畜とヒト双方に感染する疾患ですので、季節性インフルエンザの流行が無く、発熱と咳があればブタやトリに接触したか否かについて注意を払い、普段のヒトインフルエンザ以外を疑うべきです。そして、今回、4月21日のロサンゼルスタイムズに、カリフォルニア州で9才の女児と10才の男児がブタインフルエンザに感染したと報じました。幸い回復しましたが、2人ともブタとの接触がなく、感染経路は不明でした。
次いでCDCは、4月23日までに同じカリフォルニア州のサンジエゴで5人、テキサス州サンアントニオ近郊で2人のブタインフルエンザ感染を報告しました。全員回復しましたが、依然として感染経路が不明でした。事態が急変したのは、23日、カナダからの報道で、メキシコでは3月半ば以降もインフルエンザ様の流行が続き、メキシコシティで120人の感染、13人が死亡と報じました。しかし、この時点では米国でのブタインフルエンザのヒトへの感染との関連は不明でした。
24日、メキシコ保険相が自国の流行はブタインフルエンザであると発表し、ここで初めて、米国とメキシコで起きた異変は遺伝子解析により、「ブタ」で繋がりました。インフルエンザウイルスは非常に変異しやすいウイルスなので、今回のブタH1N1は今までにブタやヒトから検出されていない新種のため、今回の変異をきっかけしてヒト→ヒト感染しやすくなったと思われます。
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