亜鉛欠乏症│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2009年10月1日

亜鉛欠乏症

ハイライト
●味覚障害
●口内炎
●皮膚炎
●床ずれ
●発育障害
●免疫不全

味覚障害など

亜鉛とはヒトの生命維持において必ず必要な微量元素です。亜鉛が生物にどうしても必要な元素であると認識されたのは19世紀です。カビやネズミの成長や発育に不可欠であることがわかり、その後ヒトにおいても亜鉛欠乏による障害が報告されるようになりました。また、活性酸素の抑制、ストレス軽減、DNAやRNAに関与したり、骨形成にも影響を及ぼします。1970年に薬による味覚障害に対して亜鉛投与が有効であると報告されたのが、亜鉛治療のスタートとなりました。
【老齢者に多発する味覚障害】
我が国の味覚障害を訴えるヒトのピークは60才代で、米国でも同様です。2003年の調査では、味覚障害患者は24万人といわれ、1992年の14万人から1.7倍増加しており、たいへん多い感覚器障害のひとつです。高齢化社会になれば益々増加するものと思われます。
【味覚障害の原因】
高齢になると様々な疾患に対して薬を内服している場合が多く、この薬剤によると思われる事例が3割強、原因不明が3割弱、亜鉛欠乏が1割強、風邪に伴うもの1割前後、残りは口腔内疾患などとなっています。
【味覚障害の診断】
味覚とは主観的なので、その評価は簡単ではありませんが、味覚検査というものがあります。電気味覚検査といって、電極で舌の表面を刺激して鉄をなめたような味がするまでの刺激電流を測定します。もうひとつは、濾紙ディスク法といって、甘味、塩味、酸味、苦みが5段階に濃度が設定された濾紙を舌に乗せて、味覚を検査します。
次いで亜鉛不足について概説します。
【亜鉛不足の原因】
①摂取不足;飢餓やダイエット、入院中の絶食時の高カロリー点滴などですが、普通の食生活でも亜鉛不足になるのは何故か?、考えられるのは、米、麦、豆などの穀類や野菜、肉など大地と関係している食品では、大地がやせてくると亜鉛などの微量元素の含有量が減ってきた可能性があります。
②消化管からの吸収障害;クローン病などの腸の病気や胃十二指腸切除後などです。③排泄増加;腎障害、人工透析、肝疾患、慢性膵炎、糖尿病などで報告されています。
【亜鉛不足の症状】
亜鉛不足になると味覚障害の他に、舌痛や口内炎などの口腔咽頭症状、食欲不振、床ずれ、創傷治癒の遅れ、下痢、貧血、皮膚の痒み、原因不明の皮膚疾患、発育障害、免疫不全など多彩です。
【治療】
胃薬のなかに亜鉛含有のものがあります。報告では、それを経口内服すると数日後から食欲が回復し、効果は劇的です。味覚障害に対しては数週間かかります。床ずれについては、重症でも3ヶ月程度で改善します。舌炎や口腔炎では数日から2ヶ月程度、舌痛には数週間から数ヶ月で徐々に、皮内出血や皮膚剥離、慢性湿疹や爪の異常は数ヶ月かかることがありますが、軽快します。老人性の皮膚の痒みにも時に亜鉛が短時間で劇的に効く場合があるようですので、試してみる価値はありそうです。味覚異常や舌の異常感、口内違和感で歯医者さんや口腔外科にかかっても特に異常がなく、神経のせいだなどと診断されている方は、もしかしたら亜鉛が不足しているかもしれません。
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