過敏性腸症候群│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2002年6月1日

過敏性腸症候群

下痢と便秘

過敏性腸症候群
現代はストレス社会といわれ、仕事場のみならず家庭生活でもストレスのなかで生活している方が多いと思います。そんななかで、消化器病の臨床上、高頻度に遭遇する疾患の一つに下痢と便秘、腹痛を伴う過敏性腸症候群(IBS)があります。ストレス-脳-消化管という関係を脳腸相関と呼び、この異常がIBSの本質といわれています。ストレスには物理的ストレス、化学的ストレス、生物学的ストレス、心理的ストレスなどがあり、これらは①消化管運動異常、②消化管知覚過敏、③心理的異常などの病態となって私たちの体に現われます。それぞれについて概説しますと、①は大腸と小腸の蠕動運動異常ですが、ストレス下で過剰運動しますが、特にIBSの人の大腸は安静時でも過敏な状態になっています。小腸では群発収縮という過剰収縮が腹痛を誘発しています。②は消化管の知覚閾値の低下で、ガスの発生や細菌毒素、糞便の硬さや量、胆汁酸などの消化液による消化管内腔圧の変化に対して過敏になっている状態です。
③は下部消化管症状以外に心窩部痛、季肋部痛、悪心・嘔吐、食欲不振、胸焼け、頭痛、めまい、動悸、月経異常、疲労感、抑鬱、不眠、焦燥感、意欲低下等々の精神症状を伴うことで、うつ状態、不安神経症、ヒステリーといった病名が背景に存在しています。脳腸相関の病態生理を一元的に説明しうる物質としてコルチコトロピンリリーシングホルモンがあり、脳下垂体に働きかけて大腸運動を活発にしたり、抑うつや不安とも関連するホルモンで、IBSの重要な要因と考えられています。

診断と治療

RomeⅡ基準により診断されますが、要約すると、慢性に腹痛あるいは腹部不快感を訴え、かつ便通異常を伴っていることです。但し大事なことは腹痛が排便と関連しているかどうかです。精神症状など腸以外の症状を伴うことがありますが診断に必須ではありませんし、ストレスの有無を確かめる必要もありません。また、大腸癌や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)を見落とさないために、3kg以上の体重減少や大腸疾患の家族歴、50才以上での発症、夜間の腹痛、発熱、粘血便の有無などを確認することが大切です。
治療に関しては、個々の症例で重症度や心理状態、生活環境が違うため、画一的なものはありません。良好な患者・医師関係を築いたうえで食事や便通、睡眠、ストレスを日誌に記録してそのなかから症状の悪化と関連することがらを見いだしていきます。腹痛に対しては疼痛閾値を下げるために抗うつ剤を用いたり、下痢止めや整腸剤、運動や趣味でのストレス発散です。
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