胃・十二指腸病変│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2002年9月1日

胃・十二指腸病変

ヘリコバクターピロリ菌 (その2)

胃・十二指腸病変
今月はピロリ菌と関係ある胃十二指腸病変の各論をお話します。①胃炎;ピロリ菌が感染すると胃粘膜表面に接着して急性表層性胃炎を惹起します。自然排菌がほとんどないので慢性持続的に炎症が続き、粘膜萎縮を伴った慢性活動性胃炎を経てついには腸上皮化生というゴツゴツした胃粘膜へと変化していきます。この慢性萎縮性胃炎は消化性潰瘍や胃癌などの発生母地になることが推定されています。②胃潰瘍・十二指腸潰瘍;あの阪神淡路大震災のとき、さまざまなストレス下におかれた人々のなかで、ピロリ菌の除菌治療を受けていた人には潰瘍が認められず、除菌していなかった人のほぼ全員に潰瘍が発生しました。ストレス性潰瘍にはピロリ菌が関与していたわけです。一方、アメリカでもピロリ菌陽性者の胃・十二指腸潰瘍再発率が50%以上、陰性者の再発率は2%とピロリ菌と消化性潰瘍再発の強い因果関係が指摘されていました。③胃リンパ腫;悪性リンパ腫が胃にできることがありますが、そのうち低悪性度胃MALT(mucosa associated lymphatic tissue) リンパ腫ではピロリ菌を除菌すると50~80%に腫瘍の縮小や消失がみられます。
以前は胃全摘術をさけられなかった場合でも、今はまずピロリ菌除菌療法を第一選択とするようになりました。④ポリープ、腺腫;過形成性ポリープや胃腺腫が除菌療法で縮小することはありますが普遍性がなく、除菌療法は第一選択とはなりません。⑤胃癌;WHOは1994年にピロリ菌を第1群癌原性因子と規定、特に早期癌でより強い相関が認められるとのことで、現在厚生労働省では10カ年計画をたてて検証中です。

ピロリ菌の感染診断と除菌判定

ピロリ菌の除菌療法は胃十二指腸潰瘍にかぎり2000年11月から保険適用されました。ピロリ菌の存在診断には内視鏡検査で組織を用いた迅速ウレアーゼ試験か顕微鏡下でギムザ染色などでの菌の確認、尿素呼気テスト(UBT)といって標識したカーボンを内服し、20分後に呼気を再回収してウレアーゼ活性の有無から間接的にピロリ菌の存在を診断する方法、尿中や血中の抗ピロリ菌IgG抗体、便中抗原のチェックなどがあります。
ここで大切なことは、必ず胃カメラを施行して胃癌がないことを確認しておくことです。また、NUD(non-ulcer dyspepsia)といった、明らかな胃・十二指腸病変がないのに胃部不快感を訴える人のなかに、除菌で改善するケースがあります。除菌にはアモキシシリン1500mg、クラリスロマイシン400mg、プロトンポンプ阻害剤が主に用いられ、1週間内服して1ヶ月後にUBTで判定します。これで約85%成功しますが、失敗例には自費になりますがメトロニダゾールが有効です。
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