胃・十二指腸病変│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2002年8月1日

胃・十二指腸病変

ヘリコバクターピロリ菌 (その1)

胃・十二指腸病変
今回からしばらくは日本人に多い胃や十二指腸の疾患についてお話しします。数年前までは胃潰瘍や十二指腸潰瘍はストレスが原因と考えられていました。確かに純粋なストレス性潰瘍の患者さんや痛み止めなどの薬剤による潰瘍の方もいますが、多くの潰瘍持ちの方、特に再発を繰り返している方ではヘリコバクターピロリ菌がその原因となることが判明してきました。1906年に胃癌患者の胃にラセン菌の存在が報告されましたが約50年後に否定されて以来、pH2前後の強酸性の胃内には一般の細菌は生息出来ないと考えられてきました。ところがオーストラリアのR.Warrenが1979年に胃炎患者の胃にラセン菌が存在することを報告、1983年には研修医のB.Marshallが胃粘膜を培養していた際に孵卵器のなかに入れっぱなしでイースター休暇に入り、休暇明けにのぞいてみたらなんとコロニーを形成していました。このような偶然から初めて胃ラセン菌の培養に成功し、この菌に関する研究が飛躍的に進歩してヘリコバクターピロリ菌として認知されました。
この菌の風体はというと長さ2.5~3.5μm、巾0.5μmで右巻きラセン状のグラム陰性桿菌で、菌の一端に4~7本の有鞘べん毛を持っていて活発に運動して胃粘膜の表面にある粘液層を貫通して胃酸から逃れるように潜り込んでいます。また、ピロリ菌は強力なウレアーゼ活性を持っており、尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を産生するため胃内の強酸下でも生育できるわけです。長期に感染していると萎縮性胃炎といういわゆる胃粘膜の老化現象が起きてきます。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌が胃粘膜から離れて表面の粘液にいるときはラセン桿状から球状に変形してcoccoid formになっています。この状態は芽胞と同じで条件が悪くても生存し続けるので、感染源と考えられています。ピロリ菌感染者の90%以上で大便中からこのcoccoid formが検出され、さらに体外に出てからも7日以上も生存できるため、糞便中のピロリ菌の経口感染が一番あやしい感染経路です。
他方、歯垢やゲップ、唾液、盃交換、胃カメラでの感染報告もあります。感染時期はというと、成人になってから感染することはほとんどないといわれており、主に抵抗力の弱い未就学児がピロリ菌陽性の親からの家族内感染を受けます。特に父親がピロリ菌陽性で溺愛する第一子に多いというデータがあります。幼稚園や保育園では、特に長時間保育をして集団で食事をする保育園の方が感染しやすいといわれています。その他母乳栄養期間が長いほど少ないとか、障害児施設入居者に多いとの報告もあります。
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