タバコディジーズ (喫煙病)│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2004年2月1日

タバコディジーズ (喫煙病)

ハイライト
● 肺気腫
● ASO(arterio screlosis oblitarence)
● 歯周病・白板症

大病の予兆を見逃すな

1997年のハーバード大学と世界保健機関(WHO)の共同研究の結果、健康を害する要因は、先進国ではタバコが第一位、次いでアルコール、高血圧、運動不足、性感染症、麻薬、大気汚染となっています。ちなみに発展途上国では栄養失調、水汚染、性感染症、アルコールの順です。喫煙は生活習慣病の最たる危険因子であり、かつ生活習慣病の進展を予防できる因子でもあります。その他にも肺癌をはじめ様々な疾患の危険因子であることが広く知られるようになり、アメリカや我が国では多くの公共施設で禁煙区域が広がっています。駅でさえ終日禁煙になろうとしているさなか、テレビなどで国会議員の会合が映し出され、会議室が分煙されていない光景を目の当たりにすると、日本の舵取りをする国会議員の喫煙に対する取り組みの遅れ、認識の甘さが気になります。喫煙して特に体に変調が感じられなくても、体内では確実にダメージが進行しています。肺癌や虚血性心疾患、口腔癌になってからでは手遅れです。進歩した現代医学の恩恵にあずかって検査を駆使し、手遅れになる前に予兆をとらえて回避していくことが可能となっています。特に肺、足、口に現れるタバコディジーズ(喫煙病)の予兆を紹介します。
(1)肺気腫;肺胞壁や末梢気道が破壊され、ガス交換出来なくなって呼吸困難を呈する病態です。在宅酸素療法の主な原因となっています。これまで肺気腫は喫煙歴の長い高齢者の疾患とみなされていましたが、40才未満の喫煙者の50%以上に肺気腫を認めます。非喫煙者では3%です。初期のうちは無症状のうえ胸部レントゲン検査や呼吸機能検査でも異常が現れません。この肺気腫は前癌病変であり、高度肺気腫の25%に肺癌が合併しており、対照の約4倍になります。そのためにも肺気腫を早期に発見し、禁煙指導をして肺癌への進行をくい止めるには胸部CT検査が有効です。
(2)慢性閉塞生動脈硬化症(ASO);人口の高齢化と共に動脈硬化性疾患が増えてきましたが、手足の安静時疼痛、皮膚潰瘍、壊疽を来すASOの発症に大きく関与しているのがタバコです。初期には四肢の冷感、しびれ感があるため、整形外科的な筋肉痛、関節痛、年のせいとして放置されている場合があります。ASOは心筋梗塞や脳血管障害を合併しやすいため、致死的虚血性疾患の前兆といえます。診断には手足の脈と血圧測定、ドプラー血流計を用います。似たような病状で四肢の血行障害を来す疾患にバージャー病、ないしはビュルガー病と呼ばれる閉塞性血栓血管炎があります。これは手足の比較的細い血管の内膜の炎症によるもので、ASOと同じような症状を呈しますが、この発症にもタバコが強く関与しています。診断は四肢の血管造影検査で行います。
(3)歯周病・白板症;喫煙者の歯周病罹患率は非喫煙者の2~8倍といわれており、歯科治療に支障を来すことがあります。歯周病原性細菌(フォーサイス菌、ジンジバリス菌)に加えてニコチンなどの有害物質が歯肉の微小循環障害、線維芽細胞の増殖能、免疫機能を障害することで歯周組織が破壊されます。歯周病菌が誤嚥されて肺炎を来したり、心筋梗塞が25%増加したという報告があり、致死性疾患の前兆としてとらえられます。白板症は舌、頬粘膜、口腔内に白い斑点や偽膜様に現れますが、喫煙者では非喫煙者の6倍も認められます。これは前癌病変ですので将来癌化する可能性があるため、組織検査で悪性度が高ければ切除する必要があります。このように口腔内の問題ではとどまらないため禁煙することを指導します。
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