国民病 その2│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2001年7月1日

国民病 その2

慢性肝炎・肝硬変

国民病 その2
前回に引き続いて、国民病といわれている慢性肝障害についてお話します。肝臓は「沈黙の臓器」といわれています。慢性胃炎や胃潰瘍があればお腹が痛くなるので病院に来て検査しますが、肝臓の場合は肝機能障害があってもほとんどの人が症状を自覚しません。ですから人間ドックや健康診断でたまたま発見されるということがままあります。主婦検診でも女性特有の肝疾患が発見されます。社会人のなかで最もポピュラーな肝障害はアルコールや肥満、糖尿病などによる脂肪肝ですが、これは生活習慣病のひとつでもあり、日常生活の改善で治っていく病態です。一方、ウイルス性や自己免疫性の肝障害は専門的な対応・治療をしていかなければ肝硬変に進展し、肝癌の発生や食道静脈瘤破裂といった重篤な病態に陥ってしまいます。近年、日本肝臓学会では肝機能障害の進行を少しでも遅らせるために、肝機能の数値を年平均80以下にすることを推奨しています。例えば、B型やC型肝炎ウイルスによる場合は一般の肝庇護剤の他にグリチルリチン製剤やインターフェロンの注射があります。さらに、B型肝炎に対しては朗報があり、ウイルスの増殖を抑制する飲み薬が最近保険適応となったため、患者さんにとってはインターフェロンやステロイドリバウンド療法などよりも時間的、体力的に治療がはるかに楽になりました。B型慢性肝炎は母子感染が多く、1985年以前は感染予防されていませんでしたので、15歳以上の方で家族にB型肝炎の方がいる場合には専門家を受診し、適切な検査と治療を受けるようにして下さい。

女性の肝臓病

近年、働く女性が増え、会社での年一回の健康診断を受ける方が増えています。また、病気の早期発見・早期治療を目的に主婦検診や区民検診も盛んに行われています。この時の採血でγGTPの高い人が見つかりますが、一般的にはアルコールや脂肪肝で上昇しますがいずれにも当てはまらない方がいて、検診医からは「飲んでいないといっても信用できません。お酒でしょう。」と身に覚えのない嫌疑がかけられることがあります。そんな方のなかには実は女性に多い肝臓病が隠れていることがあります。原発性胆汁性肝硬変といい、原因不明で、決定的な治療法がなく、最後は肝移植しか手だてがない病気です。早期に発見して、ある程度有効な飲み薬で肝機能をコントロールする必要があります。これとは別に、自己免疫性肝炎といって、ステロイドなどの免疫抑制剤が有効な肝炎があります。いずれも専門医がデータを見れば診断可能ですので、心配な方は一度ご相談下さい。
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