ライフスタイルと疾患(各論)│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2005年9月1日

ライフスタイルと疾患(各論)

ハイライト
● ライフスタイル
● 塩分
● 貯蔵
● 添加物 
● 調理法
● 補助食品
● 補助栄養剤
● 免疫力
● NK細胞

癌の発生ーその2

今月も先月に引き続き、癌を予防するための適切な食生活や関連要因とはどのようなものか、1997年に発表された670ページにも及ぶ報告書から、14箇条の要点を紹介します。
 <食生活に関する勧告のまとめ>つづき 
公衆衛生上の目標(◆)と、個人へのアドバイス(◇)

-食品の貯蔵および加工-
⑨塩分と塩蔵;◆一日の総食塩摂取量は、成人で6g以下、◇塩分の多い食品を控え、調理中や食卓での塩の使用を抑える。調味に香辛料やハーブを利用する。[注]日本では酢の使用も勧められる。現在の日本人の摂取量は平均約13g/日。
⑩食品の貯蔵;◆腐りやすい食品を保管・貯蔵する場合は、カビ汚染を最も抑える方法を採用。◇常温で長期保存し、カビの毒に汚染されているかもしれない食物は食べないこと。[注]特に熱帯でカビからできるアフラトキシンが肝癌との関連で問題。
⑪保存;◆腐敗しやすい食物は、直ちに摂取しない場合は、冷凍か冷却保存する。◇腐敗しやすい食物は、すぐ冷蔵庫に保管しなさい。
⑫食品添加物および残留成分;◆供給する食糧に含まれる食品添加物、殺虫剤やその残留成分、その他の化学汚染物質に関する安全基準を設定し、監視体制を確立すること。◇添加物、汚染物質や他の残留成分が適切に規制されていれば、飲食物中のそれらの存在は、今まで知られている限りでは有害ではない。しかしながら、規制が不十分な場合や不適切に使用されれば、健康にとって危険となりうる。これは経済面での発展途上国でことに留意されなければならない。
⑬調理法;◆肉や魚を摂取するときには、比較的低温で調理するように勧める。◇黒焦げになった食べ物は食べない。肉や魚を食べる場合は、肉汁の焦げた物は避けなさい。直火で焼いた焼き肉や焼き魚、塩干薫製の肉類はまれにしか食べないようにしなさい。
-補助食品・補助栄養剤など-
⑭補助食品・補助栄養剤など;◆補助食品、補助栄養剤を用いなくても、地域の人々の食事パターンが、癌へのリスクを減少させる方向に一致していること。◇ここに提示している勧告を守っている人々には、癌リスクを低下させるための、補助食品・補助栄養剤はまず不必要であり、役に立たない可能性もある。

-タバコ-
◆タバコは、どんな種類でも、その生産、宣伝、喫煙を抑制する。◇タバコを吸ったり、かみタバコを使用したりしないように。[注]タバコは、例えば飲酒の害を増幅させるし、良い食生活をしていても喫煙によって台無しになりかねない。 
  以上が前回から引き続き紹介した14箇条の勧告(指針)です。癌発生の一次予防に寄与することが期待されます。

ライフスタイルと癌の予後

個々のライフスタイルというものは長期間、年余にわたる習慣のため、各人の各臓器の細胞や免疫力などに多大な影響を及ぼしているものと思われます。ライフスタイルと癌の予後に関しては確かな結論は得られていませんが、喫煙は肺癌、頭頸部癌、子宮癌、慢性骨髄性白血病などの治療後の生存率を低下させます。予後に影響するメカニズムとして免疫能に着目してみますと、ナチュラルキラー(NK)細胞という生体防御細胞は、癌発生を抑制しますが、喫煙ではこの細胞の活性が低下、逆に飲酒、緑色野菜、大豆製品、乳製品、適正な体重、規則的な生活、適度な身体活動は活性を高めます。また、早期癌術後の抗癌剤治療は、無効であるばかりか、免疫力を低下させたり、二次癌発生の危惧も示唆されています。以上のことより、NK細胞活性を高めるようなライフスタイルが、特に二次癌発生の予防に重要ではないかと想定されています。
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