気管支喘息│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2001年9月1日

気管支喘息

喘息発作

気管支喘息
夏から秋にかけての季節の変わり目というのは喘息が悪化する時期です。気管支喘息という病名は広く知られていると思いますし、小児から大人まで罹患している疾患ですが、その発症メカニズムについて良く理解している親御さんや患者さんは少ないのではないでしょうか。また、医者の方も患者さんには単に「喘息です。薬を出します」くらいで、どのようなメカニズムが起きているかとか、その薬の目的を説明してくれることは少ないのではないでしょうか。この理解不足は喘息に対する治療効果や予後に影響を与えます。喘息発症のメカニズムは複雑ではありますが良く研究されているため、個々の患者さんにあった薬を使えば良くコントロール出来て日常生活を難なく過ごすことが出来ます。一言で云うならば、喘息とは気道の過敏性を伴う慢性の炎症です。種々の外来刺激に対して気道が過敏に反応し、気管平滑筋の収縮、気道粘膜の浮腫、粘液分泌亢進が生じて気道閉塞が起こっています
この炎症ではアレルギーに関わる好酸球や肥満細胞、T細胞が多数浸潤しており、ヒスタミン、ロイコトリエン、好酸球ペルオキシダーゼ等々の物質を放出します。この炎症が続くと気管支平滑筋が肥厚して非可逆的変化や肺機能の低下(気道のリモデリング)が起きてしまい、薬に反応しなくなってしまいます。これらの細胞を刺激するアレルゲン(ハウスダスト、ダニ、大気汚染物質、タバコ、ペット、かぜウイルス、ワックスなどの揮発性物質、食品添加物など)を回避し、それら細胞から出てくる物質を抑制することが治療の基本となります。

喘息の治療

喘息治療薬には大きく分けて気管支拡張剤、抗アレルギー剤、ステロイド剤があります。テオフィリン製剤やβ2刺激剤などの気管支拡張剤は起きている現象(気道狭窄)を改善させる目的で用い、最もポピュラーです。抗アレルギー剤にはヒスタミンを抑制したり、ロイコトリエンを抑制したり、トロンボキサンを抑制したりと様々な作用を持った薬があり、どれを選択するかは必ずしも容易ではありませんが、難治性喘息のなかでもかなり有効な患者さんがいます。
近年、ステロイド吸入薬の再評価がされ、全身への影響(副作用)をほとんど伴うことなく、強力に気道の炎症を抑えることが判明しました。小児でもスペーサーという補助器具を使って、より良い薬の効果と副作用の軽減がなされています。多くの方はステロイドと聞くと嫌悪感を抱きますが、諸刃の刃ともいえるステロイドを上手に使えば、最も有効な薬となります。薬加減の目安にはピークフローメーターを使って最大瞬間呼気量を測定していきます。
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