高齢者の疾患の特徴-③-│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2007年1月1日

高齢者の疾患の特徴-③-

ハイライト
●2型糖尿病
●糖毒性
●インスリン抵抗性
●脂肪食
●レプチン
●甲状腺機能亢進症
●前立腺
●尿漏れ

内分泌・代謝疾患、泌尿器疾患

明けましておめでとうございます。
今回も、高齢者の疾患の特徴について概説します。

<内分泌・代謝疾患>
糖尿病;我が国の糖尿病患者数は約700万人に達し、その増加率は狭心症・心筋梗塞や脳血管障害のおおよそ9倍にもなります。高齢者の占める割合はおおよそ4割近く、今後も少子高齢化が進めばなお一層増加するものと思われます。糖毒性glucose toxicity といって、高血糖は動脈硬化、神経障害、易感染症など全身に悪影響を及ぼします。膵臓のβ細胞が破壊されてインスリン分泌不全となり急激に発症する1型と、インスリン分泌の遅れ・低下やインスリンがうまく筋肉などで作用出来ずに(インスリン抵抗性増大)血糖が上昇してなかなか低下しない2型に分類されます。1型は若年者に多く、高齢者ではほとんどが2型で、遺伝的素因や肥満、過食、ジュースなどの清涼飲料水が手軽に買えるとか、運動不足、ストレスなどの生活習慣が深く関与しています。加齢自体でも耐糖能は低下しますが、これはインスリンの標的器官である骨格筋の減少に伴う内臓脂肪の相対的増加がインスリン抵抗性を助長するうえ、インスリンを分泌している膵臓のβ細胞の疲弊も重なります。空腹時血糖が正常でも食後に高血糖になり、なかなか下がらないのが特徴です。お米を主食にしていた日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌量が低くても十分に血糖をコントロール出来た体質でしたが、ここ20年で食生活の欧米化によって脂肪食が増加したため、肥満となってインスリン抵抗性の増大となってしまいました。元来、人間の体内では脂肪細胞から出るレプチンというホルモンが食欲を抑えて脂肪の消費を促していますが、炭水化物(ご飯など)はこの作用を促進していました。脂肪食ではレプチン抵抗性を示すため、肥満につながり、インスリン抵抗性が増加してしまいます。つまり、お米の消費が減り、脂肪の摂取が増加するにつれて糖尿病が増え続けています。ごはんを中心にした低脂肪食、高食物繊維食が糖尿病の予防に大切です。糖尿病の治療は運動療法、食事療法、薬物療法に分類され、特に食事療法は重要で、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を参考にして厳重なカロリーコントロールが必要です。高齢者の食事内容は一般的に蛋白質が減少して糖質が増え、味覚の低下から塩分過剰となります。歯が少なく咀嚼能力が低下しているため硬い野菜などが食べにくくなりがちです。在宅患者であれば25kcal/体重1kgで十分です。3大合併症の糖尿病性腎症による透析患者数が増加しており、尿蛋白が認められると蛋白食制限が必要になります。糖尿病性神経症は手足のしびれや感覚異常で、進行すると怪我をしても気付かなかったりと治癒が困難となり、血行障害を来すと壊死となって下肢を切断せざるをえなくなります。糖尿病性網膜症は急激な血糖低下で悪化、失明することがあるので注意が必要です。糖尿病の治療中で問題になるのが低血糖発作とケトアシドーシスです。特に風邪などで体調を崩して食事が摂れなくなった時などは治療薬の量に注意が必要です。コントロール不良の糖尿病患者の寿命は、糖尿病発症後男性で9.4才、女性で13.5才と短命で、主な死因は心筋梗塞と腎不全です。
甲状腺;高齢者の方で血圧が上がってきたり、痩せてきたり、動悸や前回で紹介した心房細動が発症した時には甲状腺機能亢進症が疑われます。血液検査で簡単に診断することが出来ます。
<泌尿器疾患>
男性は前立腺肥大症、前立腺癌が気になるところです。前者は排尿困難(排尿に時間がかかる)、頻尿や尿意切迫(急激な尿意)を自覚するので本人にも分かりやすいのですが、後者は無症状ですので前立腺癌マーカーや触診、エコー、CTなどの検査で診断します。女性は骨盤低位筋群の衰えで尿漏れを来しやすくなります。
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