慢性腎臓病│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2007年6月1日

慢性腎臓病

ハイライト
●蛋白尿
●糖尿病
●高血圧
●肥満
●メタボリックシンドローム
●貧血
●塩分

診断と治療

今回は慢性腎臓病について最近の話題を紹介します。慢性腎臓病とは「蛋白尿や血尿、血液検査異常、エコーやCTで腎の形態異常が3ヶ月以上持続する状態」です。近年、腎臓病の進展で透析を余儀なくされている患者さんの数が増加しており、2005年の調査では日本人の25万人超、つまりは500人に1人以上が透析中で、十年前の1.7倍に増加し、年間の新規透析導入者は36、000人に及んでいます。透析導入で問題になるのは、①患者さんにとって週3回前後、一回に3時間前後かかる手間、②心血管系疾患の罹患率リスクが増える、③長期生存率の低下で、導入後の5年生存率は63%、10年生存率は40%と一般人の半分程度、④経済面で医療費がかさむ、などがあげられます。腎移植をすれば透析から開放されますが、正規のルートによる現在の移植平均待機期間は10年以上であり、年間に数パーセントの患者さんしか腎移植を受けれません。以上のことを考えると、いかに腎不全を予防し、あるいは検診などで腎不全を早期に発見し、腎臓専門医との連携などで管理していくかが重要なポイントとなっており、昨年の日本腎臓学会総会でも緊急課題とされました。
<原因疾患>
1998年度以降、糖尿病性腎症が第一位となり、全体の42%を占めています。その他慢性糸球体腎炎、高血圧、肥満、メタボリックシンドローム、貧血などが原因として挙げられています。血圧が高いほど腎硬硬化症が基で腎不全に、肥満では男性において危険因子となっています。メタボリックシンドロームではリスクが1.4倍になります。腎障害でも貧血になり、透析のリスクが増しますが、貧血を改善すると腎不全の進行が抑制されます。高尿酸血症は単独では腎不全の危険因子となるか否かは議論のあるところですが、高血圧などの動脈硬化危険因子を伴っている場合が多々あります。
<診断>
①試験紙法による蛋白尿のチェックが簡便です。ただ、生理的蛋白尿(起立性、腎下垂性)と病的蛋白尿の区別はつかないので、早朝尿、来院時尿、起立負荷尿などで2回以上の検尿が必要です。2+以上の蛋白尿は確実に腎障害が存在します。さらに腎障害の早期発見には微量アルブミン尿の精密測定が有効です。血尿のみ陽性では透析導入のリスクはほとんど問題になりません。蛋白尿と血尿ともに陽性だと10年間で約3%のヒトが透析になっています。
②糸球体濾過量といって、物質の尿中への排泄速度(腎クリアランス)で求めますが煩雑であり、外来では困難な測定方法です。
③採血で血清クレアチニンが2.0mg/dl以上だと腎障害が存在します。
<加齢と腎機能>
加齢によって糸球体濾過量は低下しますが、透析が必要な末期腎不全に進行することは希であり、合併する高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症などによる動脈硬化が原因となることがほとんどです。慢性腎臓病のハイリスク群とは、男性、低出生体重者、糖尿病、高血圧、肥満、喫煙、食塩・蛋白質の過剰摂取者です。
<慢性腎臓病の治療>
自覚症状に乏しいため、上記ハイリスク群であれば蛋白尿の有無をチェックする必要があります。蛋白尿は量が少ないほど治療によって陰性化しやすいため、早期発見は大いに意義があります。血圧管理は腎保護作用があり、一日塩分6g以下、血圧130/80未満、一日の尿蛋白量が1g以上なら血圧125/75未満が目標です。降圧剤には何種類もありますが、アンギオテンシン変換酵素阻害剤やアンギオテンシン受容体拮抗剤が有用です。貧血があればエリスロポエチン製剤で腎不全抑制効果が期待できます。肥満の改善だけで尿蛋白量が減少します。食事の一日蛋白質量は体重1kg当たり0.8g以下、高カリウム血症があれば、不整脈の原因となるため、生野菜、果物、海草、豆類、芋類などのカリウム含量の多い食品は避けます。但し、茹でるとカリウムが減少します。
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