肥満│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2003年4月1日

肥満

肥満の原因・原因・分類・診断

肥満
今更ながら肥満といえば体重オーバーとしか言いようがありませんが、日本肥満学会によると正確には「体脂肪の過剰蓄積」となります。肥満の判定方法は近年健康診断でも用いられているBMI(body mass index)で、BMI25以上で生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症)の罹患率が上昇するため、BMI25以上を肥満と定義します。最近の我が国の肥満の頻度は、男性では20才代で19%、30才代以降60才代まで30%、女性では20才代で7%、30才代で13%、40才代で20%、50~60才代で30%となっており、男性では30才以降、女性では50才以降の肥満が健康対策上問題となってきます。肥満を考えるうえで重要なのが体脂肪の分布で、主に腰から下に脂肪が貯まる下半身型(女性型、洋なし型)と、お腹から上に脂肪の貯まる上半身型(男性型、リンゴ型)に分け、上半身型が生活習慣病になり易いと指摘されています。さらに、腹部CT検査により上半身型を皮下脂肪型と腹腔内の内臓周囲に脂肪の多い内臓脂肪型に分け、内臓脂肪型が生活習慣病と深い関係があることが指摘されました。男性は成人になると皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすく、またとれやすいのですが、女性では女性ホルモンの影響で思春期に皮下脂肪がつき、更年期以降に内臓脂肪が貯まりやすくなります。この内臓脂肪の蓄積状態は軽いインスリン抵抗性にもなっており、糖尿病の予備軍となっています。摂取エネルギーの90%近くは吸収されるため、肥満は摂取エネルギーと消費エネルギーの不均衡により生じ、その原因には食べ過ぎ、食べ方の誤り(1日1食、どか食い)、運動不足やインスリン過剰分泌、熱産生障害、遺伝などがあります。
消費エネルギーは即運動エネルギーではなく、消費エネルギーには生命維持に不可欠な基礎代謝が60%、運動エネルギー30%、食事誘導性熱産生10%で構成されています。この40年、日本人の摂取カロリーは1日2000kcalでほぼ横ばいですが、脂肪食の比率が増加しているのと運動不足から肥満の比率が男性は4倍、女性は3倍に増えています。インスリンと肥満の関係ですが、インスリンは脂肪合成促進、血中脂肪の脂肪組織への取り込み促進脂肪分解の抑制があり、体脂肪が蓄積しやすくなります。最近はやりのインスリンダイエットは逆効果? 遺伝の関与では、脂肪細胞でob遺伝子から作られる摂食抑制蛋白レプチンに対する抵抗性(過食になる)、熱産生に関わるβ3受容体遺伝子異常(熱産生能の低下)、PPARγ異常や脂肪細胞から分泌されるアディポネクチン異常(インスリン過剰分泌)などがあり、肥満における遺伝子異常の関与は25%くらいで、やはり生活習慣が問題です。
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