不老の医学│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2003年5月1日

不老の医学

老化を抑制できるか?

不老の医学
我が国の平均寿命は女性84才、男性78才で世界一です。欧米諸国と違うのは心血管系疾患(心筋梗塞や脳梗塞・脳出血)が少ないのが主な理由ですが、近年食生活の欧米化で脂肪食の割合が増えるにつれ、心血管系疾患のみならず大腸癌などの悪性新生物による死亡が増えているのが現状です。一方では、少子高齢化のなかで老化に対する関心が高まり、健康や不老長寿に関する情報が雑誌やテレビ番組で盛んに取り上げられ、あれもこれもやらなければならず、老後をゆっくりどころか老いてますます忙しいのは皮肉なものです。残念ながら加齢に伴って組織や器官の機能が低下しますが、血管の老化、つまり動脈硬化は心・脳血管障害の原因となるし、胃の老化である萎縮性胃炎は胃癌の発生母地となるため、老化のプロセスも病気の一つととらえ積極的に各臓器の老化のメカニズムを解明して予防と治療に取り組むことが、21世紀型の医療でもあります。細胞の寿命はストレスや活性酸素などの影響を受けますが最近の研究によると遺伝子(clk-1遺伝子)でも規定されているらしく、エネルギーを産生するミトコンドリアを省エネ状態にるすることで長寿につながるのではないかいわれています。そんな中で老化の過程でキーとなるホルモンが注目されてます。一つは成長ホルモンです。これは小児期から思春期にかけて骨や筋肉、性腺の発育に欠かせないホルモンで、蛋白合成や細胞増殖を促進したり糖・脂質代謝にも関与しています。
成長ホルモンが激減してくる中年になると筋肉が減り、内臓脂肪が増える中年太りの一因と考えられています。さらに成長ホルモン欠乏症の人には高脂血症、糖尿病、肝障害、狭心症、心筋梗塞が多く、さらに骨密度や筋肉の衰えで骨折しやすくなるなど加齢とともに現われる病気と似ています。もう一つ老化と関連してデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)という副腎皮質由来のホルモンが注目されています。これは20才代をピークに直線的に減少しますが、抗肥満作用、抗動脈硬化作用、免疫賦活作用、抗骨粗鬆作用、耐糖能改善作用など多彩な作用が報告されています。不老不死の薬がない限り老化現象は止めることは出来ませんが少しでもその老化の進行を抑制できるかどうか?欧米ではこれらのホルモンの補充療法が試みられていますが成長ホルモンには浮腫や発癌性があるため、加齢と共に傷つきやすくなっている遺伝子に悪影響を及ぼす可能性があります。DHEAは米国では若返りサプリメントとして既に発売されていますが問題となるような副作用は報告されていません。筋トレも成長ホルモンの分泌を促進させることが解っており、いくつになっても運動は大切です。
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