口臭│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2004年4月1日

口臭

ハイライト
● 口腔内細菌

● 歯周病

● 硫黄系化合物

● 窒素系化合物

● 低級脂肪酸

口臭は胃が悪いため?

口臭が気になって来院する人は胃が悪いのではないかと心配する人がほとんどです。口臭で歯科を訪れる人も多いため、歯科医も苦慮する症状です。そこで今回は愛知学院大学歯学部付属病院口臭外来の福田光男先生の論文をご紹介します。一般的に口臭は自分では気づきにくく、家族や他人からの指摘で初めて気づかされ、意識する事柄です。口臭を訴えるのは若い人を中心に増加しており、これは衛生に対する意識が向上して清潔さを求める過剰反応の結果のようです。この意識がエスカレートして極端に無臭であることを求めるあまり、人と一緒に行動出来なかったり、電車に乗れない、引きこもり、登校拒否、物事に集中出来ないなど正常な社会生活を送れなくなる場合があります。では、口臭の原因はなにか?臭いの成分はガスクロマトグラフィーを使って解析されますが、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、硫化水素といった硫黄系化合物、スカトール、インドール、アンモニアといった窒素系化合物、プロピオン酸、イソ吉草酸といった低級脂肪酸が同定されています。最も多いのが硫黄系化合物です。これに口腔内の湿気が加わり、人それぞれの体調や時間帯で微妙に変化して独特な口臭ができあがります。口臭の発生源としては口腔内、肺からの呼気、胃が挙げられます。肺由来というのは呼気に原因があるということで、食べ物や全身疾患(糖尿病、肝臓病、腎臓病、シェグレン症候群など)によるものとされています。理論的には食べ物やガスが消化管から吸収されて血管に入ると肝臓に運ばれ、解毒や合成を受けてから心臓に入り、肺へ送られてガス交換の際に呼気に出てくるという経路ですが、正常な肝臓ではほとんど何らかの代謝をして分解、解毒してしまうため、重い肝臓病でないかぎりは現実的には原因とはなりません。胃潰瘍やピロリ菌が口臭の原因として疑われたこともありますが、その可能性は低いようです。結局、口臭の原因は口腔由来のガスと結論されています。口腔内には400~600種類の細菌がいるといわれており、これら細菌は様々な酵素を出して蛋白質や糖を分解しています。
なかでもバクテロイデスなどのグラム陰性嫌気性菌は硫化水素やスカトールを発生します。この細菌は歯周病の原因菌です。口臭が強い人には歯周病が存在します。この細菌は歯周ポケット、歯面のプラーク、頬粘膜、口蓋、舌扁桃、舌苔に生息しています。口臭を軽減させるためにはグラム陰性菌を中心に菌の絶対数を減らすことが肝要です。口臭には日内変動があり、起床時はmorning breathとかmorning odorと呼ばれる強い口臭があります。食事をすると唾液が出て食物と共に口臭物質が飲み込まれ一時的に口臭が減ります。疲労やストレスでも口臭が強くなります。夕方になると口臭が強くなったり、緊張した時にのどが渇くと思いますが、自律神経に支配された唾液の分泌量が減少するためで、この時も口臭が強くなります。また、唾液の質が粘性を帯びるため、口の中がねばねばするなどの口腔違和感を覚えます。若い女性では生理を不快に思っている人に口臭を強く感じる人がいます。治療はカリエスや残根、半埋伏歯の抜糸や不適合補綴物などの再製作などを行うことが第一です。同時に口腔清掃指導も徹底します。歯周病があれば徹底した処置をします。歯周病と共に問題となるのが舌苔です。厚くあるのは除去した方が良いのですが、よく舌背が白っぽく見えるのを舌苔と勘違いして過度にブラッシングして傷つける場合があり、これは逆効果です。
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