ストレス│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2005年3月1日

ストレス

ハイライト
●  心身症 
●  免疫機能 
●  神経内分泌
●  癌 
●  内科疾患

ストレスと生体反応

ストレスという言葉は毎日のように見聞きする言葉です。ストレスとは「心身の負荷になる刺激や出来事や状況により個体内部に生じる緊張状態」のことです。ストレスを生じるような外部からの刺激をストレッサーと呼んでおり、物理的、化学的、心理的、社会環境など種々雑多であり、我々生体側には内分泌系、自律神経系、精神神経系、免疫系など総合的に影響を及ぼすことになります。ストレスの多くは対人関係に関するものであり、また幼児期、児童期、青年期、成人期、中年期、初老期、老年期といった人生のどの時期にいるかでもストレスの内容や受け方が違います。発生しているストレスの度合いを客観的に測ったり、強さを評価することは不可能であり、ストレスの感じ方やストレスに対する精神的、肉体的反応には個体差があるといえます。現代社会の特徴は核家族化、機械化、コンピューター化などといった孤立化傾向であり、情報化、国際化、スピード化、不況、リストラ、保険や医療費、年金などの社会保障負担増、高齢化による介護増などなどが加わったストレスまみれの社会といえ、ストレス性健康障害が増加しています。以下にストレスと関連した生体反応を概説します。
<心身症>
いわゆる「こころ」というのは脳の働きのことを指しており、脳への情報伝達は視覚、聴覚、味覚、臭覚、平衡感覚や皮膚や筋肉からの刺激で伝わります。心身症における最も重要な因子は対人関係にまつわる事柄です。ストレスに対してうつの反応と不安の反応を起こしますが、一般住民のなかで前者は10%、後者は5%ほど見受けられます。
<免疫機能>
胸腺、骨髄、脾臓、リンパ節などの免疫系組織は自律神経である交感神経と副交感神経の支配を受けています。ストレスではアドレナリンの影響で自律神経のバランスに変調を来します。ストレスの免疫系に及ぼす影響には視床下部-下垂体-副腎系と自律神経系を介した2つの系があります。種々の心労や悲哀、抑うつ状態では感染症、アレルギー疾患、自己免疫疾患、さらには癌の発生率が増加することが報告されています。これは、ストレスでリンパ球の働きやインターフェロン産生能が低下したり、異物に対する抗体産生能が低下することが関与しています。
<神経内分泌>
ストレスがかかると脳から脊髄に広く分布する交感神経が活動して抗ストレス反応を示します。すなわち、脳から副腎へ情報が伝わり、アドレナリンを介して心拍増加、内臓血流量低下、呼吸数増加、血液凝固能亢進、不安や恐怖といった情動面にも作用します。
<癌>
癌の診断を受ける前に死別、別居、離婚といったストレスフルな体験が多いことが報告されています。これは、発癌前に免疫機能が低下していることを示唆しています。発癌防御にはナチュラルキラー(NK)細胞が働いていますが、脳内の視床下部に伝えられた精神心理的ストレスは血中コルチゾール(ステロイド)を増加させ、NK細胞の活性を低下させることが解っています。
<内科疾患>
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などのようにストレスで胃が痛くなったりお腹が痛くなることは往々にしてありますが、その他に喘息発作、過換気症候群、高血圧、心筋梗塞、狭心症、甲状腺機能亢進症、膠原などが発症します。また、生活習慣病のひとつである糖尿病も、ストレスから過食行動となり肥満、インスリン抵抗性、耐糖能異常といった経緯で発症します。一番やっかいなのが訴えを証明できる客観的所見(検査で異常)がないもので自覚症状だけの場合です。例えば頭痛、全身倦怠感、食欲不振の類で、自律神経失調症などど表現されます。
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