においの話 ー加齢臭ー│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2007年8月1日

においの話 ー加齢臭ー

ハイライト
●においの受容体
●頭皮臭
●口臭
●腋臭
●糞尿臭
●足臭
●汗臭
●加齢臭
●ノネナール

「匂い」と「臭い」

今回は「におい」について、良い匂い、悪い臭いについて紹介します。私たちの身の周りにはさまざまなにおいがあり、性別、年齢、人種によっても違います。日本語では快感を与える良いにおいは「匂い」と書き、嫌なにおい、不快なにおい、刺激臭の時は「臭い」と書きます。どちらか不明の時はひらがなかカタカナで書きます。不快な加齢臭は孫にとってはおじいちゃん、おばあちゃんのにおいでもあるわけです。人間の五感の一つがにおいを感じる嗅覚です。ヒトがにおいを感じることが出来る物質は約40万種類あり、そのなかでかぎ分けることが出来るのは3千から1万ぐらいあります。五感のなかでも視覚や触覚、聴覚、味覚はその刺激が直接大脳に伝わって各人の判断が加わりますが、においに関する嗅覚はその発達度でにおいを感じるヒト、感じないヒトというふうに個人差があり、本能的、情緒的、感覚的な要素の影響を受けます。濃度によって良いにおいと感じるもの、悪いにおいと感じる物があります。例えば、香水などに使われているインドールは、ものすごい高濃度ではくさいのですが、濃度を下げていくと白い花の香りになります。2004年には「においの受容体の遺伝子」が発見されてノーベル化学賞が授与されました。先ほどの濃い濃度でくさくなるのも、この受容体が過剰に反応するためです。体臭は、上からいくとまず頭皮臭があります。それから口臭、腋臭(わきが)、糞尿臭、足臭です。エクリン汗腺から出る汗臭がありますし、皮脂のにおいもあります。そして加齢臭があります。その中で一番多く感じられるのが汗臭で、汗腺から出てくる様々な分泌物が皮脂や垢とともに皮膚上の常在菌によって低分子脂肪酸という物質に分解されて嫌なにおいになります。
<加齢臭>
皮膚の表皮脂質の中にあるパルミトオレイン酸という物質が過酸化脂質によって酸化反応を起こし、ノネナールという物資になり、これが加齢臭の主成分です。その他いろいろな物質を分泌しますが、唯一ノネナールだけが年齢差があります。加齢臭は若い人にはなく、だいたい40才以上になって出てきます。人体では襟首や背中から感じとれます。どんな臭いかというと、ろうそくの様な、青臭い、古いポマードや古本の様な、またそれらがミックスされた臭いです。男性と女性でどちらが自分の加齢臭を感じるかというと、女性です。男性より2~3倍で女性はにおいが変化してきたことを認識します。ノネナールを生成する酸化反応を促進するのは過酸化脂質なので、逆にそれを抑制するのは抗酸化剤なのです。

体臭防御

体臭の防御方法として考えられるのは以下の5項目です。
①臭いの元となる物質を取り除く;洗浄料や髪の毛ならシャンプー、リンスを毎日する。一時期、若いヒトに朝シャンが流行しましたが、朝シャンは40才以上から有効ということになります。
②臭いの元となる物質を減らす;ビタミンB6などの皮脂抑制剤や制汗剤です。皮膚科医も液臭のひどいヒトに勧めるのが制汗剤です。
③におい物質の発生を防ぐ;抗酸化剤や銀を含んだ化粧品など。銀は非常に腐りにくく、昔から活用されています。化粧品の他に家電、食品、繊維、建築物に使われています。銀イオンは分解された細菌を死活させるため、消臭や殺菌効果があります。
④におい物質を消臭、除去;植物抽出物や酸化亜鉛など。
⑤におい物質を目立たなくする;いわゆる香料類です。
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