遺伝子組み換え食品│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2007年9月1日

遺伝子組み換え食品

ハイライト
●安全性
●アレルギー
●表示の義務化

健康問題があるのか?

【遺伝子組み換え食品とは】
従来の農作物に他の生物の遺伝子を組み込んで、人間が栽培するのに都合の良い新しい農作物を「遺伝子組み換え農作物」といい、これを使用した食品を「遺伝子組み換え食品」といいます。また、厚生労働省医薬局食品保険部の告示では、組み換えDNA技術応用食品・食品添加物を遺伝子組み換え食品と呼んでいます。

【遺伝子組み換え食品にはどんなものがあるのか】
大豆、トウモロコシ、なたね、ジャガイモ、綿実などがあります。
【健康問題-安全性について】
遺伝子組み換え食品は身体に悪いのか、という問いかけに対して、
①安全性の確認がされていないこと
②長期間食べ続けて大丈夫かどうか調べられていないこと
③アレルギー性もきちんと調べられていないこと
④安全かどうかよく分からないものを食べることはできない
などの意見が出されています。過去の事例を紹介します。
L-トリプトファン事件;1988年から89年にかけて起こった食品公害事件です。必須アミノ酸であるL-トリプトファンをサプリメントとして昭和電工が組み換え体を利用して製造しました。ところが米国を中心として、これを食べた1,543名に健康被害が出て、38人が死亡しました。これは白血球の一種である好酸球が異常に増加し、全身の筋肉痛に襲われる「好酸球増多・筋肉痛症候群」と呼ばれるものでした。昭和電工のトリプトファン製造過程において用いられた組み換え微生物が、予期せぬ2種類の蛋白質を作り、それが不純物として製品に混入したことが原因とみられています。このように、微生物が遺伝子組み換えによってどのような挙動を示すのか、100%分かっているわけではなく、思いがけない物質が出来てしまう可能性は否定できないわけです。
スターリンク事件;フランスの大手バイオ企業であるアベンティス社が開発した遺伝子組み換えトウモロコシであるスターリンクを使用した事件です。スターリンクは殺虫性のある蛋白質で、害虫が付きにくい反面、人間が食べるとアレルギー反応を起こす事例が報告されました。
【遺伝子組み換えによるアレルギーを起こした事例】
ある企業が、大豆の栄養価を高めるために、ブラジルナッツのDNAを入れてみたところ、アレルギーを引き起こすことが分かり、開発が中止されました。
【免疫力低下】
遺伝子組み換えジャガイモをラットに与え続けると、発育低下や免疫力低下を招いたとの報告があります。 

海外での遺伝子組み換え食品の反響と表示義務

英国人;以前よりも組み換え食品を抵抗感無く食べるというヒトの割合が増え、約半数に及んでいます。
米国人;遺伝子組み換えのようなバイオテクノロジーの利点に期待する傾向があり、農薬の使用量を減らして栽培され、ビタミンと栄養価が高くて味が良い食品を期待しているようです。
【表示の義務化】
厚生労働省食品衛生調査会表示特別部会の報告によりますと、2001年4月から表示義務を課しているのは、「遺伝子組み換え農作物が存在する種類の農産物である食品及びこれを原材料とする加工食品」です。例えば大豆、トウモロコシ、馬鈴薯などと、それらの加工品である豆腐、油揚げ類、おから、みそ、きな粉、納豆、豆乳、コーンスターチ、ポップコーンなどです。ただし、「組み換えDNA及び蛋白質が除去、分解されているもの」、例えば醤油、大豆油、コーン油、コーンフレーク、マッシュポテトなどに関しては表示義務はもうけられていません。
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