新型インフルエンザ│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2008年12月1日

新型インフルエンザ

ハイライト
●H5N1
●プレパンデミック
●パンデミック
●パンデミックワクチン

新型インフルエンザ

はじめに】
インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3種類があり、B型とC型はヒトのみに感染しますが、A型は144種類の亜型があり、ヒト以外にも鳥やブタなど様々な動物に感染します。ヒトにはこの多種類のA型インフルエンザウイルスのうちたった3種類(A/H1N1ソ連型、A/H3N2香港型、A/H2N2アジア型)しか感染しません。A型インフルエンザウイルスは種類の違った動物間で感染しあうことは希であり、鳥のインフルエンザウイルスがヒト社会に直接入り込んでくることはないと考えられていました。しかし、1997年香港におけるインフルエンザウイルスH5N1の鳥の間での流行時に、6人の死亡を含む18人の患者発生が確認されたため、膨大な数の鳥が鳥インフルエンザウイルスに感染した場合、鳥からヒトへの直接の感染が有り得ることが判明しました。今のところ、この種を超えてヒト社会に入り込んだ鳥のインフルエンザウイルスが、ヒトの間で次々と感染が拡がっていく事実はありませんが、ヒトに感染しやすいように変異し、誰もこのウイルスに対して免疫をもっていない新たなA型インフルエンザウイルス(新型インフルエンザ)として、地球規模で大流行(パンデミック)する可能性が危惧されています。 

【鳥のインフルエンザ】
鳥類はA型インフルエンザウイルスに感染する代表的な動物です。鳥のインフルエンザウイルスはヒトと異なって主に腸管で増殖し、糞便中に大量のウイルスを排泄します。カモなどの水禽類がインフルエンザウイルスに感染してもほとんどが無症状で、元気に渡り鳥として世界を飛び回って、糞便とともにウイルスを各地でばらまきます。これらがニワトリやアヒルなどの家禽類に経口的に感染します。感染した家禽類もほとんどが無症状か軽症ですが、一部のA型H5やH7は非常に強い病原性があり、特にH5N1は高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼ばれ、これに感染するとほとんどの家禽が短時間のうちに死んでしまいます。家禽または野鳥でH5N1が確認された国・地域は60カ国以上、ヒトへの感染が確認されたのは15カ国ですが、当初は中国や東南アジアに限定されていましたが、その後中央アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中東にまで感染は拡大し、243例の死亡を含む385例のヒト感染確定例が報告されています。幸いにも、近年の初期対応の徹底や情報開示などが功を奏し、2006年をピークに確定患者数と死亡数は減少し、今年は確定34例、死亡26例となっています。
我が国では2004年京都、兵庫県、山口県、大分県、2007年宮崎県、岡山県に養鶏場でのH5N1が発生しましたが、完全な押さえ込みに成功しました。2005年茨城県では鶏舎でH5N2が流行しました。本年4月、秋田県十和田湖で発見された白鳥の死骸からH5N1が発見されました。
【予防】
パンデミックワクチンは新型インフルエンザが発生してから製造を開始するため、供給までに半年かかります。その間の基礎免疫をつける目的でH5N1株を用いたプレパンデミックワクチンが開発され、本年12月に医療従事者や社会機能維持者の6400人の希望者に接種予定となっています。社会機能維持者とは治安維持に関わる警察官、消防士、自衛隊員、海上保安官など、ライフライン関連で電気事業者、水道事業者、ガス事業者、石油事業者、食料販売関係など、国や地方の危機管理から国会議員、地方議会議員、都道府県知事など、その他報道関係や輸送関連業者などです。
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