微量元素│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2004年6月1日

微量元素

ハイライト

● 亜鉛

● 

● クロム

● セレン

● マンガン

● モリブデン

● コバルト

● ヨウ素


欠乏症と過剰症

ヒトの身体は全て元素から成り立っており、多量元素と微量元素に大別されます。多量元素には酸素、炭素、水素、窒素など体の構成に有用な主要元素と、浸透圧や膜電位を通して生体機能に役立っているカリウムやナトリウムなどがあります。一方、ヒトに必須の微量元素は亜鉛、銅、クロム、セレン、マンガン、モリブデン、コバルト、ヨウ素の8元素ですが、身体の重量の僅か0.02%しか体内に存在しません。しかしながらこれらは大部分が体内の様々な酵素活性や活性物質として存在しているため、微量でも大きな働きをしています。微量元素欠乏に関する研究は1961年に遡り、中近東で発見された思春期男性の小人症が亜鉛欠乏に起因することが判明しました。亜鉛のキレート剤となるペニシラミンの服用で味覚障害になることもわかりました。かつて日本では水俣病やイタイイタイ病などの公害病のせいで微量元素の公益性を受け入れにくい環境がありました。その後、長期の高カロリー経中心静脈栄養での皮膚炎や腹痛、下痢が亜鉛欠乏によることが判明しました。また、今日は飽食の時代であり、微量元素不足などは考え難いのですが、偏食の時代でもあるため、若い女性のダイエットやコンビニでの偏った買い物から、亜鉛不足による味覚障害を起こします。ヒトの五感のうち唯一老化しないのが味覚で、苦みがやや落ちるぐらいです。味覚障害は年のせいにはできません。聴覚、視覚と違って味覚細胞が1ヶ月前後で新生しているため味覚を保てるのです。かつて微量元素の測定は困難でしたが、近年は原子吸光法などの分析技術が発展したため、正確に測定できるようになりました。現在我が国では健康維持に対するに意識が向上してサプリメントやビタミンブームですが、これからは微量元素ブームに変わるかもしれません。各微量元素の働きと過不足による影響を紹介します。
1)亜鉛;アルコール代謝酵素を含めた300種類以上の酵素活性に関わっており、遺伝子複製でも重要な元素です。先天的な不足による腸性肢端皮膚炎はまれで、ほとんどが菜食主義による動物性蛋白質不足や高カロリー輸液や経腸栄養による摂取不足です。吸収障害は肝硬変や膵臓病、潰瘍性大腸炎やクローン病、術後の短腸症候群、薬剤、食品添加物などによります。欠乏すると皮膚炎、口内炎、舌炎、うつ、下痢、腹痛、味覚障害、発育障害、脱毛、骨粗鬆症になります。
2)銅造;血機能、骨代謝機能に関与しています。遺伝的欠乏症はMenkes病、過剰症はWilson病があります。高カロリー輸液などで欠乏すると貧血、白血球減少、骨病変、膀胱憩室など、過剰では嘔気、嘔吐、下痢、黄疸、血尿、乏尿、低血圧などです。
3)クロム;糖代謝に関与しており、欠乏すると耐糖能異常、末梢神経障害、体重減少に、過剰で嘔気、消化管潰瘍、中枢神経障害などです。
4)セレン;抗酸化作用、抗癌作用があります。欠乏すると筋肉痛、心筋症、爪床部白色化、過剰では脱毛、中枢神経障害などです。
5)マンガン;骨代謝、糖代謝、脂質代謝、生殖能、免疫能に関与しています。欠乏するとコレステロール低下、血液凝固能低下、毛髪の赤色化、皮膚炎、成長障害など、過剰でパーキンソン症候群などです。
6)モリブデン;アミノ酸代謝、尿酸代謝に関与しています。欠乏で頻脈、過呼吸、夜盲症、視野暗点、易刺激性、昏睡、失見当識など、過剰で高尿酸血症です。
7)コバルト;造血に関与しており、欠乏で悪性貧血があります。
8)ヨウ素;甲状腺ホルモンの生成に関与しています。自然界にはヨウ素の塩類の形で存在し、水溶性のため雨水や河川によって洗い流されて海に達します。大陸内部や海産物を食べない国で欠乏し、甲状腺腫となります。
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