かゆみ│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2005年1月1日

かゆみ

ハイライト
● マスト細胞
● 脱顆粒
● ヒスタミン
● トリプテース
● C線維
● ケラチノサイト
● 皮脂減少
● サブスタンスP 

かゆみのメカニズム

冬になって乾燥してくると皮膚がカサカサして痒くなる方がいると思います。また、皮膚のトラブルが起きた時に我慢できない症状はかゆみと痛みですが、このかゆみを抑えることが出来れば皮膚病のおおよそ半分くらいはコントロールできるといわれています。
<かゆみの原因>
以前からかゆみの原因としてヒスタミンが挙げられ、抗ヒスタミン剤が有効であることは解っていました。原因物質が体内に侵入するとマスト細胞からヒスタミンが脱顆粒(放出)されてかゆみを引き起こします。かゆみのメカニズムを解明するためマウスに後ろ足で皮膚を引っ掻かせる実験がありますが、マウスの皮膚にヒスタミンを直接投与しても痒がらず、かたやマスト細胞から脱顆粒させる物質を投与すると痒がることから、かゆみにはヒスタミン以外の原因も関与していることが分かりました。以前はかゆみは痛みの部分症状で、刺激が強いと痛く、弱いと痒いと思われていましたが、1997年にかゆみを伝える特別な神経であるC線維の存在が報告されました。C線維はヒスタミンなどのケミカルメディエーターによって刺激され、生じた興奮が大脳皮質の感覚野に伝達されて認識されます。さらに、マスト細胞から脱顆粒されるのはヒスタミンのみならずトリプテースというかゆみ物質が存在することが分かりました。また、表皮にあるケラチノサイトからも一酸化窒素やロイコトリエンB4などのかゆみ因子が放出されます。神経細胞から分泌されるサブスタンスPもケラチノサイトを刺激したり、マスト細胞から脱顆粒させる物質です。
<皮膚の乾燥とかゆみ>
老人性の皮膚乾燥症や透析を受けている人のなかには皮膚に湿疹などのかゆみの原因になるような皮疹がないにもかかわらずかゆみを訴える人がいますが(皮膚掻痒症)、その背景には皮膚の乾燥(ドライスキン)が存在します。皮膚が乾燥すると表皮が肥厚し、そこに知覚神経のC線維が伸びてきます。全身性皮膚掻痒症は大部分は皮膚の乾燥(皮脂減少)によるものですが、なんらかの基礎疾患を有する老人にも多く、鉄欠乏性貧血、多血症、ホジキン病、リンパ性白血病、悪性リンパ腫、胆汁うっ滞性肝硬変、閉塞性黄疸、腎不全、甲状腺機能障害、糖尿病、痛風、胃癌、肺癌、前立腺癌、HIV感染などがあります。ドライスキンでは外部からの刺激を受けやすく、アレルギー反応も起こしやすいうえに、C線維が表皮近くまで侵入して分布していることが判明し、外部からの機械的、化学的、物理的刺激に対してかゆみ閾値が低下している状態(痒がり)です。この場合にはマスト細胞からの脱顆粒が関与していないので抗ヒスタミン剤は無効であり、保湿剤が有効となります。
<アトピー性皮膚炎のかゆみ>
アトピー性皮膚炎はアトピー素因を持つ患者に起こる掻痒のある炎症性湿疹で、アレルギー反応と非アレルギー反応の複合作用で起きています。アレルギー機序はマスト細胞が主体ですが、リンパ球や好酸球の関与や、神経系から産生・分泌される生理活性物質(サブスタンスP)も関与しています。非アレルギー機序は皮膚バリアー機能の障害によるもので、皮脂分泌低下などで皮膚保湿能障害が起こり、皮膚が乾燥してかゆみを感じやすくなるうえに(かゆみ閾値の低下)、掻爬による皮疹の悪化、皮膚の被刺激性の亢進、易感染性、表皮上層まで知覚神経線維の侵入などが原因です。かゆみに対する表現は「イジイジ、虫が這うような、ちくちく、ぴりぴり」などです。
<蕁麻疹のかゆみ>マスト細胞からのヒスタミンによって微小血管の拡張と透過性亢進で赤い膨疹が出没し、「ムズムズ」としたかゆみです。体が温まったり、夕方から翌朝、疲れたときに出やすくなります。
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