ライフスタイルと疾患(各論)│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2006年1月1日

ライフスタイルと疾患(各論)

ハイライト
●Ⅰ型糖尿病
●Ⅱ型糖尿病
●糖毒性
●遺伝因子
●環境因子
●インスリン抵抗性
●食習慣
●運動不足
●一次予防

糖尿病

明けましておめでとうございます。本年も引き続きお知らせコーナーを宜しくお願いします。今月はライフスタイルと糖尿病についてです。近年、日本人の糖尿病有病率は急増しており、その数約700万人、予備軍を含めると1200万人と推計されており(人口の10人に1人)、その予防と対策が健康保持や、ひいては医療費削減の点からも重要課題となってきています。糖尿病というのは一言でいいますとインスリンの作用不足から高血糖状態になり、それが引き金になって発症する合併症を合わせた病態です。「糖毒性」といって、高血糖が続くと膵臓からインスリン分泌が促されますが、徐々にインスリンが効かなくなってきます。そうするとさらにインスリンた必要となるため、膵臓がムチうたれて働かされますが、益々インスリンも効きづらくなり、ついには井戸の水が枯渇するようにインスリンが消失してしまい、糖尿病が増悪します。原因には遺伝因子と環境因子があり、糖尿病に罹患しやすい遺伝因子を持つ人に肥満、過食、運動不足、ストレスなどの環境因子が加わって発病すると考えられています。糖尿病は2つの病態があり、膵臓からのインスリン分泌が枯渇する、自己免疫病の要素が強くて急激に発症するⅠ型と、せっかくインスリンが分泌されていても効率よく作用できていないⅡ型(インスリン抵抗性)に分類され、特に環境因子であるライフスタイルと密接に関係し、糖尿病の多くを占めるⅡ型糖尿病は代表的な生活習慣病です。
ライフスタイルの変化による糖尿病発症の増加;
生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症・進行に関与する症候群」と定義されています(1996年)。糖尿病発症における環境因子の重要性は、日系アメリカ人における有病率の高さなど、疫学的なデータから推定されます。それは、ハワイやロサンゼルス在住の日系アメリカ人は遺伝子的には日本人と同様であるのに、ライフスタイルの変化で、糖尿病有病率が日本人に比べて約2倍に達しています。1995年に発表された研究発表では、糖尿病発症の危険因子は加齢、肥満、高中性脂肪血症、低HDL(善玉)コレステロール血症、高尿酸血症、高血圧、運動不足などです。近年、日本人の食習慣の経年的変化を国民栄養調査からみますと、一日のカロリー摂取は頭打ちか、むしろ少し減少しているにもかかわらず、動物性脂質、動物性蛋白質の増加、糖質の減少と脂質の増加がみられます。これらは肥満を助長してインスリン抵抗性を増大させ、Ⅱ型糖尿病を増加させる因子となっています。

運動習慣と糖尿病;
家庭電化製品の普及や車社会の発達は明らかに身体活動の低下、運動不足をもたらし、糖尿病を増加させています。糖尿病患者では適切な運動を行うことで、不足がちなインスリンを節約して効率よく作用させることができます。そのうえ、肥満の改善、筋肉の増強、心肺機能の強化、ストレス解消なども期待できます。食事療法と運動療法を十分に実践できれば、それだけで肥満傾向のある、インスリン抵抗性状態の糖尿病が改善されます。
糖尿病の一次予防をめざして;
糖尿病の予防には、発症をおさえる一次予防、早期発見・早期治療によって合併症(腎不全、失明、血行障害)の発症予防を目指す二次予防、さらに合併症の進展を抑え、臓器障害、身体障害の予防を目指す三次予防に分けられます。我が国では、二次、三次予防の段階にとどまっているのが現状ですので、これからはいかに一次予防を徹底、啓蒙していくことができるか、行政や学会の役割が大きいところです。
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