眠りと健康│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2006年4月1日

眠りと健康

ハイライト
●生体時計
●睡眠時随伴症
●循環器疾患
●消化器疾患
●糖尿病

睡眠障害(不眠症)

睡眠は人が生きていくうえではなくてはならないものです。脳や心、肉体に疲労が蓄積すればそれを解放するために睡眠による休息が必要になります。人間や他の高等動物の「睡眠と覚醒」には約24時間を周期とするリズムがあり、これは脳内メカニズム(生体時計)によって生み出されているものです。日本人の5人に1人は睡眠に関する問題を抱えているとされ、不眠の原因は様々で、身体疾患や精神障害、ステロイドなどの医薬品、カフェインやアルコールなどがあり、生活環境などの社会生活によるものであれば、睡眠障害も生活習慣病のひとつといえます。ただ、最も多いのは原因が特定できない「原発性不眠」です。睡眠時間は年齢や疲労度にもよりますが、成人では平均7~8時間程度、アインシュタインは毎日10時間睡眠だったとのことです。もし、夜間に十分な睡眠がとれなければそれ自体でも大きな悩みとなりますが、様々な心身の不調にも繋がっていきます。睡眠障害には眠れないという不眠症の他に、子供に多い夢遊症や夜驚症(睡眠時随伴症)、高齢者に多いレム睡眠行動障害などがあります。健康な人は睡眠不足になると著しい眠気を感じ、いつでもうたた寝ができますが、不眠症の人は横になる機会があっても昼寝ができません。また、不眠症の人は昼間にいらいらしたり、今晩眠れるかどうか不安になったり、疲労感を覚えることがままあります。一方で、睡眠時間が短いことイコール不眠とはいえず、人によって必要な睡眠時間は異なり、5時間以下でも平気な人がいます。要は睡眠時間の長短が問題ではなく、睡眠の「質」が重要で、朝起きた時に睡眠充足感が得られておらず、そのために身体的、精神的、社会生活上に不都合があると自覚する場合が「不眠」であるといえます。近年の高齢化社会において、高齢者の不眠と夜間せん妄にともなう睡眠障害の発症が増加しています。一般的には加齢とともに不眠を自覚する人が増えるのは事実ですが、身体的、精神的疾患が全くない超健康な高齢者では加齢に伴う不眠の増加はみられないとの報告があります。そして、持病の数が多い人ほど不眠を訴える割合が増えてきます。疾患では疼痛性疾患、心疾患、認知症(痴呆)、肺疾患に不眠症が多い傾向にあります。
<睡眠不足の身体への影響>
慢性的に睡眠不足を来しやすい交代勤務者では、高血圧などの循環器疾患と消化器疾患の有病率が高いことが知られています。さらに、糖尿病の発症率も6時間以下の睡眠では7~8時間睡眠よりも2倍になるとの報告があります。ちなみに、9時間以上の睡眠でもリスクは高まるようで、寝れば良いということでもなさそうです。平均余命と睡眠時間の関係をみた報告によりますと、6~8時間の睡眠をとる人の寿命が最も長く、それ以下でも以上でも寿命は短いとなっていますが、果たして、いかがなものでしょうか?肥満度(BMI)と睡眠時間の間にも平均余命と同じような関係がみられ、7~8時間睡眠の人のBMIが最も低く、それ以上でも以下でもBMIは上昇するそうです。
<一過性から慢性の不眠へ>
日常生活の中で誰しも体験するようなストレスは一過性の不眠をもたらすものですが、通常はそのストレスが去れば睡眠は回復します。慢性的な不眠を来す人は、不眠を過度にとらえて日中の緊張を高め、夜間には眠ろうとする努力がかえって入眠を妨げます。さらに寝室、寝床、就寝前の身繕いなどが精神緊張を高め、不眠をもたらす条件刺激となり、寝床に入ると目がさえるという悪しき学習が形成されます。神経質な性格と、もともと不眠を来しやすい素質が備わっていると、このような悪しき学習が働いて慢性不眠へと移行していきます。
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