家庭血圧│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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2006年9月1日

家庭血圧

ハイライト
●家庭血圧
●24時間自動血圧測定

白衣高血圧と白衣現象

長年の大規模スタディーの結果、脳血管障害などを抑制するうえで重要な因子の一つとして血圧管理の重要性が再認識されました。
日本高血圧学会の指針では、収縮期、つまり上の血圧130mmHg、拡張期、つまり下の血圧85mmHgまでが正常、上が130~140未満は正常高値、140~160未満は軽症高血圧、160~180未満は中等度高血圧、180以上は高度高血圧、下は90以上で高血圧と分類しており、血圧が低ければ低いほど脳血管障害のリスクは減少することが明らかとなりました。若いときは低血圧であっても、加齢、肥満、生活習慣病、塩分の摂りすぎ、ストレス、家系などの要因が重なって高血圧になる方は珍しくありません。そのようななか、「白衣高血圧」といって、本来は正常血圧でも病院で先生や看護師が測定すると緊張して血圧が上昇してしまう現象があります。今でこそ家庭で手軽に自動血圧計で血圧を測定出来るようになりましたが、以前は家庭で血圧を測る習慣もなく、即高血圧として加療されていました。白衣高血圧かどうかは、問診で緊張するタイプかどうか、過去に家庭血圧と病院血圧にひらきがあったかどうかなどを聞き出せば、おおよその見当はつきます。白衣高血圧は原則的には治療は必要ありません。まずは第一に家庭血圧を測定してもらい、記録したものを先生に提示することと 、心電図で高血圧性変化の有無をチェックすれば明らかとなり、不必要な治療を避けられます。白衣高血圧の追跡調査によりますと、将来の脳心血管合併症発症リスクは正常血圧と同程度であり、特に家庭血圧が130/80未満であれば治療は必要ありません。ただし、白衣高血圧は高血圧と正常血圧の中間に位置し、高血圧の前段階であるという報告もあります。白衣高血圧のなかには家庭血圧の変動が大きい場合があります。ストレスや緊張、来客、商談、テレビでのプロレスやサッカーなどエキサイティングなスポーツ観戦で血圧が上がることがあったり、頭が重い、頭痛などの症状を自覚するケースがありますが、その場合は携帯型24時間自動血圧測定器をつけて確認します。このようなケースを治療すべきかどうかに関しては専門家のあいだでも一致した見解は得られていませんが、腎機能障害や頭痛などの症状がある場合は患者さんも心配になるため、安定剤や少量の降圧剤で血圧の変動を抑える治療は必要になってきます。一方、「白衣現象」とは、本来も高血圧であるが診察室ではさらに血圧が上昇する現象をさします。腎機能や尿蛋白の有無、眼底所見、心肥大、他の生活習慣病の有無、肥満などを勘案して十分な降圧療法が必要です。

ポイント

①家庭血圧はいつ、何回測定するか?;可能なら一日2回測定することが望ましい。朝は起床後30分から一時間以内、降圧剤を飲んでいる場合は、内服前に。夜は入浴前や晩酌前に。
②血圧は朝、夕それぞれ何回測定するのか?;家庭で自己測定しても白衣現象に類似した精神反応が生じて、一回目の血圧測定で高い値がでることがあります。2回目、3回目と測定しているうちに段々下っていく場合が多く、逆に測定するたびに全く違った数値が出たり、 段々上がっていく場合もあります。血圧というのは本来、精神的動揺や身体の少しの動きに対しても敏感に反応するものであり、測定毎のある程度の変動は避けることは出来ません。何回目の血圧をとるかは特に定められておらず、3回測定した平均や、一回目、あるいは2回目を採用するなど、医師や施設間でまちまちなのが現状です。
③脳卒中予防のための至適血圧;中年までは130/85以下、高齢者は140/90以下が望ましいとされています。
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