リハビリテーション医療│豆知識コーナー|練馬区 大泉学園の肝臓専門医・内科 大井手クリニック

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豆知識コーナー

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2008年1月1日

リハビリテーション医療

ハイライト
●高齢化社会
●転倒・骨折
●関節リウマチ
●変形性関節症
●大腿骨頸部骨折
●バランス感覚

運動器疾患に対するリハビリテーション

今回は運動器疾患に対するリハビリテーションについて概説します。リハビリの目的は多様な方法を用いてさまざまな骨・関節疾患についてコントロールする、併発症を予防する、運動機能を回復することにあります。高齢化社会が進む我が国では介護が必要になるケースが当然増えてきています。その原因としては、前期高齢者といわれる65~74才では脳血管障害が50%、転倒・骨折は7%程度ですが、後期高齢者である75才以上、特に85才以上になると脳血管障害は18%に減り、転倒・骨折が15%に増えます。最も多くなるのは衰弱によるもので40%を占めるようになり、年齢とともに原因疾患が変わってきます。以下に、各運動器疾患に対するリハビリを紹介します。
【関節リュウマチ】
国内で50~70万人と推定される関節リウマチ患者さんのおよそ65%に関節の変形、筋力低下などによる身体機能低下がみられます。患者年齢のピークは60才代ですが、以前と比べて70才代が1.5倍、80才代は2倍に患者数が増加しています。薬物内服治療は変遷、進歩してきましたが、運動、温熱、休養、患者・家族教育などは変わらずに重要です。自宅でやや強めのリハビリ体操を行うことが関節破壊を招かずに関節拘縮を予防するのには有効です。
また、プールで歩いたり、泳いだりなどは筋力の低下を防いでおり、関節にかかる負担を減らしての関節運動、筋力増強は理想的です。リウマチ患者さんが日常生活で最も困っていることは、足を使えないことによる移動制限よりも、手や指による協調作業が困難になり、身辺処理に支障を来すことです。患者さんには女性が多く、家事や身だしなみの点、障害が手指中心にもかかわらず下肢ほど手術が進歩していないなどが原因です。手指のリハビリは作業療法や自助具を活用します。
【変形性関節症】
国内の患者数は約80万人程、指や膝の障害ですが、最も多いのは膝関節症です。体重減少、杖の使用、保温・温熱療法、固定装具装着、足底板装着、大腿四頭筋訓練などの理学療法を施行したうえで、疼痛管理には消炎鎮痛剤の内服、関節内注射、さらには手術療法へと治療を進めていきます。消炎鎮痛剤は諸刃の刃で、胃潰瘍や腎不全、肝障害などの併発で亡くなるケースがあり、アメリカでは特に注意喚起されています。人工膝関節置換術は膝関節の痛みを取り、歩行能力を向上させる救世主のように思われていますが、まっすぐに歩くことは出来ても、膝を捻る、ダンスをする、ひざまずくといった動作が出来ない例も結構あります。
【大腿骨頸部骨折】
多くの患者さんは手術を受け、歩行リハビリをして退院します。東京都老人医療センターでは術後2日目から座らせ、5日後に歩行訓練を開始する28日間で終了する短期プログラムを施行しており、以前の56日間プログラムよりも医療費削減と合併症予防に効果が出ています。手術とリハビリをしても自立して歩けるようになるのは2/3程度の患者さんで、寝たきりになるケースが2倍に増えます。
骨粗鬆症を治療して骨強度の増加を計るのみならず、なによりも転倒を予防することが大事です。体操や太極拳などでバランス運動に取り組んでバランス感覚を養うと、転倒率が低下するという結果が出ています。高齢化とともに体重が減少しますが、これは筋肉量が減るためです。バランスをとって身体を支えるのに支障をきたしますので、運動して筋肉を使い、筋力の衰えに少しでもブレーキをかけることが肝要です。
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